またまた杉の子にて(大町・弁天町民の会話)
昨日会社の飲み会があり、極力車を自宅に置いてから飲みに行きたい考えの私は、わざわざ弁天町まで戻り、その後市電で本町に向かった。電車の時刻に合わせて少し歩き、結局末広町の電停で待つことにする。そこで待つ間に撮影したのが下の写真。
二次会は若い面々に任せて、タクシーで「杉の子」に行くことにした。道中、運転手と大門の寂しさについて話し合った。柳小路の飲み屋の始まりが「杉の子」であるのが考えられないと、運転手は言った。全くその通りだ。馬鹿げた話だ。
「杉の子」に着いたのは11時半くらいだったと思う。店内にいた客はけっこう皆さん出来上がっている様子だった。バーテンダーの成田氏にお任せでお勧めのスコッチを選んでくれるよう頼んだ。成田氏は暫く考えてから水割りを作ってくれた。どのような選択過程があったのかはわからないが、けっこう時間がかかった。彼は真面目だ。バーテンダーは真面目でなくてはならない。そして紳士的でなくてはならない。彼はそれを忠実に守っている。
彼のチョイスはとても満足させてくれるものだった。断っておくが、彼を試したわけではない。単にスコッチの銘柄に詳しくないだけだ。知らなければ知っている人に任せよう。松下幸之助の考えを真似ただけだった。
元子ママと話をすると、今日は二十間坂の自由の女神像の話で店内は持ちきりだったとのことだ。全て批判的な内容だったことに、まだ函館市民が健全であることを知りほっとした。
「杉の子」には様々なタイプの人たちが来店する。そして各自思い思いの自分の時間を過ごしている。この店の楽しさはそこにある。私も美味しいスコッチを舐めながら、壁一面に貼ってある名刺や写真や絵などを見回す。それだけでそれぞれの人生の一場面を見ているような気になり、この店の歴史の重みを感じたりする。
スコッチを飲みながら元子ママとの話は続く。主に杉目家の家族の話や(以前も書いたが、元子ママの弟が私の同級生であり、よく家に遊びに行っていた)共通の知人の話などをする。やはり客商売をやっていると、ママは私などとは比べものにならないくらいの人と出会っている。そして、話に出てくるのは自分ができることでこの函館に対して何かをしようとしている人たちばかりであった。皆それぞれ小さな力ながらに頑張っている人たちばかりだ。
元子ママのそんな人との交遊がこの店の雰囲気を作っているのかもしれない。だからいつ来ても心地良い気分にさせてくれるのかもしれない。
そんな話をしているうちに前回同様閉店の時間となってしまった。今回は短時間でさっと切り上げようと心に決めてきたのだが、またしてもシャッター閉めと共に帰ることになってしまった。そしてまたもやご近所さんである元子ママの車で送ってもらうこととなる。何とも情けないのであるが、どうせ家がすぐ近くなのだからと言われたらつい甘えてしまった。
帰り途、二十間坂の像をまだママが見ていないとのことで寄り道をする。車を降りると、元子ママは憤りを露わにした。函館に思いのある人間の健全な反応だ。
同級生と私と杉の子は同じ年に誕生している。みんないい歳だ。だが、私が生きているうちに杉の子の閉店という知らせは聞きたくはない。そんな身勝手な思いと共に、今度は自力で帰らればと頼りなく心にした夜だった。
ハコダテ150プラスからやって参りました。
電停の写真見て、「そうそう」とうなずいちゃいました。
現在埼玉在住ですが、西部地区出身で、実家がまだ西部地区にあるのでたまに帰省します。
大町、どっく前方面は本当に暗いです(T_T)
バス通りも暗いし、車通りも人通りも少なくて夜は怖いんですよ。
二十間坂の自由の女神にはがっかりしました。
最近バス通りは新たな街灯がついて、以前よりは明るくなりましたが、それでも元町・末広町に比べるとまだ暗いですね。特に夜の女性の独り歩きやおやじの独り歩きは怖いですね。おやじは「おやじ狩り」出会うかもしれませんので。
二十間坂の像は撤去されるでしょう。そうしなければ函館の感性が全国の方から疑われてしまうでしょうから。
これだけ多くの市民から嫌われるのも珍しいくらいのことですね。早く敗北宣言をしてほしいものです。