夜更けに読んで聴くブログ

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No.19。金物洋物館。

本日のブログは決して日中読まないでください。できれば泥酔で眠る直前にお読みいただき、聴いていただくのがベストです。



20代の頃、東京の女の子とデートをした。彼女は東大卒だったが、そんな雰囲気は全く持っていなかった。それでも、彼女との会話はとても高度な頭の回転が必要だった。それが楽しかった。ひとつの言葉で三つ先の答を次に話すという会話だ。
彼女は目茶目茶酒が強かった。案の定、私が先に潰れた。
何軒か回って六本木のある店で、彼女と抱き合いキスをした。そして店を出たが、足元はフラフラだった。私はそこで別れ、若干白んで来た六本木の町を歩いた。
ちょうど六本木派出所を過ぎた時、思い切り吐いた。吐いても酔いは続いた。
そんな状態で青山通りを歩きながら歌ったのが、次の曲だ。



Tom Waitsは、めげそうな気持ちの自分を奮い立たせるために飲む時に打ってつけだ。
泣くためではない。じっと色々なことに堪えるためにだ。
今はとにかく酔おう。一人で酔っ払ってしまおう。
そんな時は思わず口ずさんでしまう。



そして、何とか自室に帰ると、今度は温かさが欲しくなる。憧れの女の子に会いたいが、深夜には何もできない。孤独感が襲う。そして、レコードに針を落とす。



Tom Waitsを聴く時に飲むのはバーボンに限る。ストレートで飲むと胃が熱くなる。眠気にとどめを刺すような酔いだ。
蝋燭一本の狭く暗い部屋で、それでも頭の中には宇宙があった。
そして、いつしか眠りにつく。


by jhm-in-hakodate | 2010-09-16 23:58 | その他雑感 | Trackback | Comments(0)