政治批判と私たち

a0158797_23431531.jpg
大三坂。本日のNHK教育テレビの「美の壺」でも何度も登場した坂だ。

ここ暫く、ツイッター上では盛んに民主党代表選の話題が続いている。中には民主党そのものへの批判を、延々とまるで恨みでもあるかのようにツイートし続けている者もいる。
批判は必要だ。それがなければ一部の人間の都合のいい方向へ政策が向かってしまうかもしれないし、極端な場合は「独裁」と同じような状態に陥る可能性だってある。言論の自由があるのだから、それを止める理由はない。

だが、元来ひねくれ者の私はそれだけでは納得しない。
まず、政治は常に国民の考えを反映していると思っている。よく、今の若い者はという中高年層(今は余り言わなくなったが)の言葉は、自分たちが作った社会を自らがNoといっているようなものだと思う。なぜなら、若者は中高年層以上に敏感に社会の風潮を感じ取り、自然に行動に移しているからだ。

政治だってそれと同じだ。
高度経済成長期には、とにかく政治は自民党に任せておいて自分たちはどんどん稼いで生活を豊かにすることに専念したかったのだ。年々豊かになっているのだから、多くの人は自民党に文句を言う理由はなかった。国民の圧倒的支持を得ている自民党は派閥争いごっこをしていればよかった。次の首相は誰の番だ?そんな内輪のゲームをやっていても社会は成長という幻想の基でまとまっていた。

だが、決定的な転換期が訪れた。バブルの崩壊だ。今まで価格が上がることはあっても下がることは決してないと信じられていた土地価格が下落した。何でも右肩上がりに動くと疑いもしなかったものが否定された。そして、(相対的にだが)貧乏になった国民は、安定した職業の省庁などの公務員が面白くなくなった。俺たちがこんなに苦しんでいるのにのうのうと法律で地位が保証されている「お役人たち」がうとましく思えてきた。
そこで国の無駄使いを次々と暴きだした。だが、それは右肩上がりの時代の産物であった。

つまり、成長している時は「まぁ、いいんじゃないの」とおおらかな見方をしていた国民が、貧しくなると、「何だお前、いい気になってるんじゃねぇよ」と態度を一変させたのだ。

政治批判とは基本的にこの程度のものだと思っている。別に政治家や公務員を擁護するつもりは毛頭ないが、国民のレベルが政治や行政にも反映されるのだと思う。
だから、政治を批判したい者は、同時に国民も政治と同等以上に批判しなければならないと考えている。それをやらなければ、いつまでたっても現実的には何も変わらないと思っている。つまり、国民が変わらなければ政治だって変わりはしないということだ。

例えば、部下を持ったことのある方、または今持っている方ならわかるかもしれないが、部下が駄目だから業績も芳しくないんだと文句ばかり言って椅子にふんぞり返っている上司は余程の人材に恵まれるという幸運がなければ業績は一向に良くはならない。自らが変わってその姿勢を見せない限り部下は動かない。
だから、部下を変えたければ、まず上司が変わらなければならないと言われている。

政治家を含む公務員は国民の下で働く部下だ。我々上司が変わらなければ部下の仕事である政治や行政だって変わらないのは当然だ。だから、批判をすべき対象は国民にならなければならない。

馬鹿なことを言うな、実際は役人の思うがままではないか、という声は当然あるだろう。私もそう思う。
だが、憲法第15条に「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」と謳われており、また、国家公務員倫理法の第1条に「この法律は、国家公務員が国民全体の奉仕者であってその職務は国民から負託された公務であることにかんがみ」となっていることを我々は憲法第9条と同じくらい重く自覚しておかねばならない。

もし、どうしても納得できなければネット上ではなく、直接民主党や自民党や省庁へ乗り込んで文句を言うべきだと思う。そのくらいしなければそんなに多くは変わらないと思えて仕方ない。
私たちが変われば政治家だって変わる。業界との癒着があるのは、私たちの心の中に楽して儲けたいという心があるからだ。需要と供給が一致しただけだ。

くれぐれも申すが、私は決して政治家や公務員を擁護したいとは思っていない。物事は常に相対的に存在する。一面だけ見て考えても、「回転木馬のデッドヒート」にしかならないのだから。
by jhm-in-hakodate | 2010-09-18 01:31 | 社会・経済について | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://jhm1998.exblog.jp/tb/11296501
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。