こんな函館の写真が撮りたかった
上の写真は、確か的場町の現在廃屋となった無人のロープで閉鎖されているアパートだったと思うが定かではない。的場町かその周辺であるのは確かだ。
実はこのような写真をずっと撮りたいと思っていのだ。それは辻仁成の「函館物語」に挿入されている写真にも通じる函館の素顔をやっと撮れたような気がするからだ。また、以前本ブログで、古建築物の写真がなかなか思ったように撮れないとぼやいたことがあるが、その解決の糸口が見つかったような気がしたのがこの写真だ。
見方によってはただの古ぼけた廃屋ではないかと思われるかもしれないが、函館を表現する時、このような建物も避けるわけにはいかないのは事実だ。なぜなら、函館という街には、過去に富裕層が築いた立派で見栄えのする建物が凛と存在している反面、このような庶民の生活というものもその光と影という相反する存在が混在しているからだ。そして、それら全てが函館であり、どちらか一方だけを表現しても片手落ちとなる。
だが、写真として表現する場合、美しさを追究すると撮影に堪え得る「きれいな建物」を撮ろうとしてしまうのだ。それはそれでいい。実際きれいで想像力を駆り立ててくれる素晴しい建物は多くある。だが、このように朽ちてしまったもの、あるいは、朽ちつつあるものをその裏にある物語を見た人に想像してもらえるような撮り方はなかなかできない。
プロカメラマンでもない辻仁成が「函館物語」のなかで、その部分を巧みに表現していた。私もそれを表現したかった。
たまにではあるが、私の写真を見た方が、いい切り取り方をしていると褒めてくださることがある。だが、それが私の全てである。カメラの持っている性能を熟知しているわけでもなく、最新の素晴しいカメラを所持しているわけではない。古い普及盤のCannonのフィルム式Eos Kissで撮っているだけだ。高度なカメラ専門用語・数値を並べられてもチンプンカンプンである。
ただ、撮りたい被写体が見つかったら、どの角度からどういう切り取り方をしてどこにピントを合わせるか、それだけである。どのような結果が出るかは神のみぞ知るに近い。だから失敗作は目も当てられないものとなる。
そんなど素人がずうずうしくもブログやハコダテ150+の写真館などで写真を公表しているのは、ただ素顔の函館を表現したいという一心からだけである。つまり感覚だけで撮っていると言っても決して過言ではないということだ。
だが、それでも嫌というほど写真を撮っていると、そのうち撮りたいイメージとで出来上がりの乖離が少しずつ縮まって来る(と勘違いしている?)。それがこの1枚だ。
もう1枚、撮りたかった写真をご紹介する。
また、この函館山が無く、坂の向こうに平地が続いていたら、きっとこの坂は映像などでよく紹介されるまでにはなっていなかったのではないかと思う。その山の迫り方を撮りたかったのだが、例の如く上手くとは言えないまでも雰囲気だけも写真に反映できたのではないかと思う。
しばらく本ブログでは、どちらかと言うときれいな函館を表現する写真が多かったと思うが、今後このような「素顔」をどんどん撮っていきたいと思っているので、どうかそのような写真に興味のある方は大きな期待ではなく、ほんのちょっとの期待をして本ブログをご覧になっていただきたい。
この度の正月休みには、そのようなものを多く撮影する意気込みである。意気込みだけで終わるかもしれないが。
「撮りたいイメージ」が伝わってきます。
私も函館に行くと毎回ここで写真を撮ります。
谷地頭から登ってくる電車と背景の住宅が迫ってくる感覚に惹かれます。
それは楽しみです。函館の「綺麗な」写真は、現在ではネット上に溢れているので、おっしゃるような地元の人間にしか撮れないような写真を見たいな、といつも思っています。
lapisサンのリンクからきました。
上記の写真、すごくわかります。
私も函館の写真を多くとりますが、どれもその辺、普通の風景をよく撮ります。
作品作りと言うより、記録に近い感覚で撮ってます。
街並みの写真、最近は凄く沢山の方々が撮る様になりましたね。
しばらくネットから離れてるうちに、色々なサイトやブログも増え、ビックリしてます。
普通の風景の中の普通をそのまま写せたらイイな~っと、
休みの日にはブラブラ散歩してます。
またこんな写真を見せてください。
でわでわ。
今から30年以上も前ですが
私が小・中学校のころ、この坂道を登り函館山を仰ぎ見ながら通っていました。
そのころは函館山はとても大きく見えたように思います。
それはまだまだ自分が小さかったのと、画像右手のマンションがなくて山がもっと見えたのもあると思います。
今は名古屋に住んでる私。
函館、て素晴らしいところがいっぱいある街だなぁ、と思います。
自分の中の「ハコダテ」が不足してくると、寄らせてもらってます。
また来年もたくさんの栄養「ハコダテ」をいただけたらうれしいです。
函館山は、郊外から見るとポツンとあるそれほど大きくない山ですが、近づくにつれてその壮大さを感じさせる不思議な山ですよね。
来年も、函館のきれいな顔をした部分の写真と素顔の両方を並行してたくさん撮っていきたいと思っています。
ありがとうございます。
リンク、全然大丈夫です。
宜しくお願いします。
私の函館の写真は、原風景と言いますか、子供の頃、学校帰りに見た何気ない風景の中のほんの僅かな別世界みたいものがあって、それを残したいと思って街の写真を撮り始めました。
写真を始めた頃は風景写真ばかりで、この辺を撮ることがなかったんですが、だんだんシフトしてきました。
あんまり意義や意味などは無く、ただ自分の自己満足だけのブログですが、宜しければリンクしていただいて結構です。
これからも気が向いたら本ブログに訪問してみてください。