函館にはやはり相馬哲平が必要?

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今日の夕陽。市内某所で撮影。RAW画像で撮影後JPEGに変換。

昨日、中心市街地活性化のための事業提案についての、自分なりの意見を述べた。そこで強調したのが、「イオン」あるいは「大規模店舗」というキーワードであったが、誤解を招くといけないので、もう一度整理して補足をする。

まず、中心市街地に進出するものは、必ずしもイオンでなくてはならないということではない。文中でも記したが、「イオンのようなもの」、つまり多種多様の店舗が入居する複合商業施設という意味であって、企業を特定しているわけではない。できれば、地元法人が起業してほしいと願っている。実際札幌・苫小牧・新潟県上越などで、イオン・ジャスコを利用したが、特別に食料品が安いわけでもない。トップバリュー製品のポテトチップは好きだが、食品購入がどうしてもイオンでなければならないという程の魅力はなかった。ただ商品の陳列などは、他にはないような整った見せ方をしており、それは好印象を持ったし、買物をするという作業をスムーズにさせてくれた。

だが、最も決定的に違うのは、やはり入居店舗数だろう。それも、同じ種類の商品販売店でも、何店もある中から選択できるため、「そこに行けば、何かが見つかるかもしれない」という期待を持たせてくれるのが魅力であった。
例えば、婦人服でも、イオン直営衣服コーナーと専門店10店でもあれば、「服を探しに行くついでに、食料品も買って帰ろう」という動機付けができる、ということだ。10店も見て回ったら、さすがに疲れる。服を見比べるという目的が達成されたら、わざわざ車で移動して別の所で食料品を買おうとは思わない。だから、施設内の食料品売場で買って帰る。これが、施設内の相乗効果のひとつだ。

これは、地元企業でもできることだ。函館市民が「イオン」という名前がつく施設がどうしても欲しいというのなら話は別だが、仮にそうだとしても、それ以上のものを作ってしまえばいいのだ。言うのは簡単と思うかもしれないが、実際に函館にもそのような実例があるではないか。それは「ラッキーピエロ」だ。説明の必要もないだろう。マクドナルドやモスバーガーを凌駕しているのは誰の目にも明らかである。

地方の独自性がそのままその地方の魅力となる。商品も然りだ。観光用土産のお菓子を例に挙げてみよう。札幌には「白い恋人」や「札幌タイムズスクエア」のような、定番中の定番とわかっていても、長年にわたって売れ続けているお菓子がある。帯広には六華亭と柳月という優れた菓子製造メーカーがある。そして函館には?観光客が迷わず買うお菓子は残念ながら見当たらない。

ラッキーピエロとお菓子業界という相反する実例をあげたが、この違いは何だろうか?それは、競争相手が全国チェーンと、市内だけという違いではないかと想像する。だから、できないことではない。独自性を持ったものを作ればいいのだ。
だが、中心市街地活性化の素案の概要を見る限りでは、まとまりのない、今までどおりの「あっちを立て、こっちを立て」の寄せ集めのような気がしてならない。前記事でも述べたが、しがらみは大きな目で見ると、足手まといにはなっても、決してプラスには転じない。

そう考えると、函館はやはり、相馬哲平のような絶対的な個人プレーがなければ何もできないのかとも思えてくる。そんなことはない、日本で初めて住民が共同で市民公園を作った街ではないか。公共というキーワードでどれだけ全体が動けるか、それを試されているだけだ。
利害関係だけで物事を進めようとしたら、いずれ共倒れになるのは誰にでもわかることだろう。そういう意味で、協議会が今後、より整合性と統一したビジョンで改定案を出されることを願ってやまない。


*今回は、大規模店舗と独自性に関して記述したが、いずれ、地域全体の課題についても述べるつもりでいる。



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by jhm-in-hakodate | 2012-01-29 23:21 | 函館の現状について | Trackback | Comments(3)
Commented by ayrton_7 at 2012-01-30 12:17
函館のおみやげ屋さんで、どこもかしこも『白い恋人』が置かれている現状は寂しいというか怒りにも感じます。
怒りは、函館のおみやげとして『白い恋人』が図々しいまでに幅をきかせていることと、函館の業者の不甲斐なさにです。
全国的に定番に近いおみやげとなっているのは、スナッフルスのチーズオムレットでしょうか。
函館市民は、函館市民の内部だけで競争しあうのでは無く、外に対して挑戦的であるべきだと思います。
Commented by きらら at 2012-01-30 21:28 x
埼玉在住ですが、スナッフルスのチーズオムレットは、思ってるほど知名度が高くないです。
知らない人が多いですよ。
要冷蔵だし、日持ちもあまりしないし、気軽に買えないんですよね。
夏は特に、長時間持ち歩けないですし。
こちらは、羽田に着いてから自宅まで長時間かかる人がほとんどです。
函館のように、空港から30分なんてあり得ないですから。
しかも電車やらバスやら乗り換え乗り換えの連続で。

白い恋人はやはり最強ですね!
買っていくと間違いなく喜ばれるので、ついついお土産にしちゃいます。
最近では、じゃがポックルも知名度が高くて喜ばれます。
メーカー的には、ロイズ、六花亭、ルタオはみんな知ってます。
函館にも、全国区のメーカーとお土産品が欲しいですね。
観光地としては知名度高いのに残念です。
Commented by 能天気 at 2012-02-01 06:31 x
「中心市街地活性化基本計画」の素案なる物が出ています。
この町は、本気で駅前から五稜郭までを中心市街地だと思っているようですね。車両の通行料、集客数、世帯・人口の密集度、平均年齢、将来性等々 どの角度から考えても現在の中心市街地は「三原地区」です。何のデータにも基づかず(駅ー五稜郭)を中心市街地として考えるあたりが函館らしいですね。
この発想も政府からの補助金がスタートです。構想メンバーにTMOが参加してますが、駅前活性化で失敗した「プランナー」です。それを又使うあたりがキナ臭いですね。駅前に店舗が出来ましたが集客出来てますか?。丸井にお客さんが沢山入ってますか?。
駅前と丸井に共通する事は、「コンシューマ・ニーズ」に合ってない事です。建物・環境を整える前に、函館の経営者にもっと勉強してもらって下さい。あまりにも不勉強。
  追伸  駅ー五稜郭が中心市街地になる可能性は、皆無だと
       思います。又、無駄使いで土建屋支援ですね。
       いつも同じパターンで赤字の積み上げです。ご苦労様