どうして中心街が駅前なのか(8)湯の川・西部地区

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大門・喫茶モーリ。

本シリーズの(6)で、千代台公園のスポーツ施設を湯の川にという提案をした。これには理由がある。もちろん、現在の千代台公園をより一般的に市民が利用できる公園にすることが主たる目的なのだが、移転先を湯の川にすると、その効果が最も出てくると考えた。

<湯の川>
今でも湯の川方面には、市民体育館と根崎グラウンドなどのスポーツ施設があるが、これに千代台公園からの野球場・陸上競技場・テニスコート・プールなどを移設(新設)して、湯の川周辺をスポーツ地域にする。新設するからには、それなりの規格の競技場になるのが相応しい。全国大会ができるようなものが望ましい。そして、それらを市民も使え、正式競技としても使えるようにする。

そして、市民は湯の川でスポーツをした後に、湯の川温泉で汗を流し、部屋で休憩をする。また、競技大会に来た他地域の選手達も湯の川の宿泊施設に滞在する。湯の川温泉では今でも、日帰り入浴などで市民の利用を促している所もあるが、正直言って、まだ湯の川は旅行客のためのものというイメージが強い。日常的には、近くの温泉に行ってしまう人が多いだろう。
だが、例えばパークゴルフと温泉施設を同敷地に持つ施設では、休日の家族の楽しみとして両方が利用されているところが道内にもある。官民連携で、スポーツ施設と温泉のパック企画などを提案したり、他の遊戯施設も加えて幅を拡げるのが理想的だ。

そんな広大な敷地があるか?という疑問も出るかもしれない。もちろん根﨑公園が中心となるが、湯の川方面には眠っている民地がけっこうあるのだ。これも官民の協力が必要だが。

<十字街>
以前、私が提唱した、十字街をITを中心としたデザイン・芸術系の会社を置く、「クロスバレイ」にすべきだと思う。その理由は、感性を養う環境が整っているからだ。西高から芸術などの才能を持った人材が多く輩出されていることからわかるように、環境は感性を育てるものだ。
また、そのような感性を持った者は十字街周辺の古い建物を好まないわけがない。違う言い方をすると、その良さをわかる人材が函館独特の新しい文化を創出できる可能性を持っているとも言えよう。

詳しくは後日改めて述べるつもりでいるが、地方は独自の個性を持たなければ、今後その存在感はよく薄くなってしまうであろう。また、次第に中央(東京)でなければならない仕事は減ってきている。地方の良い環境に囲まれながらネットを通じてできる仕事が増えている。
函館でもそれは可能だ。実際、あまり目立っていないが、函館から全国に発信して活躍している人がいるとも聞いている。大切なのは、どのような人材を育てるかということだ。

そして、今十字街附近には、大人がゆったりと楽しむことのできる店がいくつもある。今後も大人の街として、目先の流行に左右されない環境を作り、函館独自の感性を後世にも伝えてほしいと思っている。

<西部地区>
西部地区は若い人にはあまり受け入れがたい部分があるだろう。せいぜい観光かお洒落な店に遊びに行くための場所という認識が強いだろう。それは仕方のないことだ。私も若い時は、西部地区をただ古いだけの街と思っていた。とにかく都会に憧れていた。実際都会に住むと、地方の人はどうして都会に住もうとしないのだろうと思っていた。
それは現代でも変わらないだろう。そして、一度は函館を離れるであろう。または、市内の新しい地区が「便利」だと思うだろう。擬似都会を楽しみたいと思うだろう。それを止めろとは言えない。止めろと言っても、やってしまうものだ。

私が西部地区の良さ・凄さをわかり始めて来たのは30代後半からだった。人によって前後はあるだろうが、ある程度の社会経験などを経験、あるいは一度函館を離れてみないと西部地区の良さがわからないだろう。また、そこが西部地区の魅力であるのだ。

だから、無理に若い人に迎合した街にする必要はない。だが、これも後日述べようと思っているが、建物のリノベーションが重要となってくる。建物の外観は昔のまま、内部はその時代のニーズに合うように変えていく。何も変わったことではない。欧米ではそのように古い建物の内部を変えて、外部などの景観は維持しているものが多くある。珍しくも何でもないことだ。

このようにして、落ち着きと西部地区独特の環境を維持していくためには、建物のリノベーションを可能にする技術とセンスとアイディアが重要となってくるだろう。今までのように、何でもいいから新しい建物を建築するだけではニーズに合わなくなる。実際、西部地区最近の新築建物で目を瞠るものは少ない。せっかくの環境を活かしていないデザインのものが多すぎる。特に一般庶民の住宅に多い。せっかく景観条例を布いているのだから、もう少し建築会社もデザイン性の推奨を顧客にするべきである。

西部地区は、「都会指向」オンリーを卒業した大人が住む地区となるだろう。もちろん若者が住んだら駄目だというわけではない。そして、もっと住みたい人が住める住環境にしなくてはいけない。人が住まないと街は滅びる。滅びた街を観光したい人は少ないだろう。
西部地区は不便だというが、人が住まなければ不便になるのは当り前のことだ。桔梗だって最初から便利であったわけではない。とても歩いては暮せる場所ではなかった。自動車という、高額で維持費のかかる消耗品を手にして初めて便利となった地域である。それは今でも変わらない。
だが、これからは高齢者が増える時代である。歩く便利さが必要となる。ひとつの地区で複数の公共交通機関・路線があった方がいい。
そういう意味でも、西部地区は今後必要とされる地域にならなければならない。しかし、問題はたくさんある。その詳細は後日述べる。

次回は、美原・石川・昭和地区について述べたい。


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by jhm-in-hakodate | 2012-02-23 22:28 | 函館の現状について | Trackback | Comments(0)