国民が怖い

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選挙は、自民党が圧勝しました。この文章を書いている時点での勢いでは、自公で絶対的多数の三分の二に到達する勢いです。



・・・・・・これで、改憲は進むことでしょう。憲法改正に必要な各議院の総議員の三分の二以上の賛成を少なくとも衆議院では確保できるわけですから。あとは、参議院に力を注げばいい。もちろん国民投票がありますので、必ずしも改憲できるというわけではありませんが。

ですが、もし一旦改憲できたら、今度は憲法を議員の「過半数」で可決でき、現行の憲法では国民の過半数の賛同が必要なのに対して、自民党案では「有効投票の過半数」で変えることができるのです。つまり、やりたい放題に近くなるということです。

そして、国民は有事の際に内閣総理大臣によって制定された「緊急事態での法令制定」によってそれに従わなければならないことになります。また、「公益及び公共の秩序」に反すると判断される行為は規制されることとなります。誰が「公益及び公共の秩序」を判断するのでしょうか?

そして、見え隠れする徴兵制度。

このような草案を作った党を、国民は圧倒的多数で支持したわけです。民主党がだめだったから自民党に、という安易な発想でやってしまったとはもう言い訳ができません。

自民党が過半数を超えるだろうとは予測できていました。だからこそ強力な野党が必要だったのです。数的にも均衡した中での議会討論ができればいいと考えていました。それが日本の政治のレベルを上げると考えました。
だから、政党ではなく立候補者個人を見て選ぶべきだとお話してきました。

今回の選挙で、与野党どちらになっても日本にとって存在すべきだと思う政治家が相次いで落選しました。「存在すべき政治家」とは私の考えなので間違っているかもしれませんが、ともかく、国民がやったことは、自民党の候補者であれば誰でもいいから当選させよう、という、前回の民主党を選んだ時のような状態の繰り返しでした。

ただし、前回で理解できたのは、一度自民党以外の政党に任せてみたい、という試みはあってもおかしくないということです。ですが、それで国民は多くを学んだと思っていました。ところが、結果は予想をはるかに超えた自民党の圧勝でした。

極端から極端へ移る、バランスの取れない現在の国民の心理状態が、正直言って怖いです。


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by jhm-in-hakodate | 2012-12-17 01:32 | 社会・経済について | Trackback | Comments(6)
Commented by たける at 2012-12-17 08:51 x
私は、戦後70年、全く憲法が改正されないような事自体がおかしいと思っています。
この70年間、国民生活、国際社会ともに変化しています。
であれば、憲法も変化しないのは、かえって不自然だと思います。

現に諸外国は何度も憲法改正を行っています
http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/issue/pdf/0687.pdf

1945 年の第二次世界大戦終結から2010 年7 月に至るまで、アメリカは6 回、カナダは1867 年憲法が16 回、1982 年憲法が2 回、フランスは27 回(1958 年の新憲法制定を含む)、ドイツは57 回、イタリアは15 回、オーストラリアは3 回、中国は9 回(1975 年、1978 年及び1982 年の新憲法制定を含む)、韓国は9 回(1960年、1962 年、1972 年、1980 年及び1987 年の新憲法制定を含む)の憲法改正をそれぞれ行った。
Commented by 能天気 at 2012-12-17 09:35 x
戦後の護憲的発想(平和憲法とお題目さえ唱えてれば平和と考えている自称文化人)、
権利・義務を履き違えてる日教組世代、これらが、日本を「腑抜け」国家にしてしまった。
そろそろ、世界の常識的国家にならないと、国が植民地化してしまいます。現在でも、米国の「妾」みたいなものです。特に北海道は、この種の人種が多い気がします。
Commented by 3D Harmony at 2012-12-17 22:08 x
jhmさん、お久しぶりです。
>極端から極端へ移る、バランスの取れない現在の国民の心理状態
 この部分に少しjhmさんに誤解があるようなので書き込みます。無用な心配をするのは無駄ですからね。

 今回の選挙結果を見ると、自民が圧勝しましたので、ほとんど多くの国民がこれを支持したように見え、それでそのような誤解も生まれることと思います。
 しかしこれは小選挙区制度という選挙制度の故にこのような極端な結果が出るのであって、決してこれはそのまま民意を反映はしていないのです。
 例えば10の小選挙区があり、投票した有権者が100人いて、今回の結果のようにその全部で自民候補が勝ったとします。しかしそれぞれの選挙区で見ると、自民候補に51人が投票し、非自民候補に49人が投票したとします。
 しかし、選ばれるのは1人ですから、非自民へ投票した有権者の意思は結果には反映されません(死票)。(続く)
Commented by 3D Harmony at 2012-12-17 22:09 x
(続き) これが10の選挙区全部で同じようなことが起こった場合、選ばれるのは10人とも自民ですが、民意は51%が自民、49%が非自民です。つまり、実際の民意とは全然違うことが結果として起こってしまうんです。
 これが小選挙区制の特徴なのです。ですから、最終的な選挙結果だけをみても
>極端から極端へ移る、バランスの取れない現在の国民の心理状態
を表していないんです。

そしてそれは、比例選挙区の結果にも現れています。ここでは自民の得票は前回の大きく敗北したときとほとんど変わっていない、それどころか少し減らしているぐらいなんです。

 それぞれの選挙制度には功罪がありますから、単純に善悪は決められませんが、これ以上話しても長くなりますので、今回はこれでやめにしておきます。要するに、そこまで国民の民意は右から左というほど極端に走っているわけではないですよ、ということは誤解されませんよう。
Commented by goryo5 at 2012-12-18 11:32 x
jhmさん。 今日は。

形式的な数の論理で政治が進められるとjhmさんが危惧されているようになると思わざるを得ません。 しかし、国民は投票で白紙委任はしておりません。

人類が到達した「国民の命・生活・自由・権利・民主・平和・・・(人類普遍の原理)」は何人も変えることが出来ません。
これを変えることは人間の自己否定になるからです。
このことに確信をもって国の主(あるじ)である国民一人一人が進めば、無法な支配者、独裁者の思うままの政治を阻めるのではないでしょうか。
真の強い政治、強い国家は、主である国民が「人類普遍の原理」を自覚的に活かして初めて実現することが可能だと思います。
Commented by きなこもち at 2012-12-19 12:16 x
今回は結果だけを見ると自民党の圧勝ですが、得票数や比例などをみるとそうではないとわかると思います。
なにか、「自民の圧勝を憂いてます。おれ」みたいなのが、流行っていいて、それの方がもっと残念に思います。
ただjhmさんを批判しているわけではありません。