哀しき末広町
末広町の悲しさは、大町や弁天町のそれとは少し違う。
弁天町や大町は、夜になると、高齢者たちがひっそりと休んでいる感じが伝わってくる。ただ息をひそめているだけ。そんな感じだ。
ところが、末広町の夜は、人の息遣いを感じない。
深夜遅くまで十字街で飲み、歩いて帰路につくと、まず末広町の電車通りの孤独感に襲われる。若い頃、夜明け前に六本木から渋谷まで酔っ払って歩いた青山通りのようだ。
観光客が行き交う日中の賑わいが嘘だったかのような無機質な静けさだ。
末広町・電車通りの街燈はオレンジ色だ。
一人少しだけ足早に歩いていると、後ろから素敵な女性が追いかけてくる。そんな奇跡があれば、そのシーンははまるで映画の1場面にでもなりそうなのだが、そんなことはありえない。ただ、いい歳をした酔っ払いオヤジがさまよっているだけだ。
深夜、ここを歩いてしまう男は、ただ哀しいだけなのだ。
それ以外のなにものでもない。
そして、青空が広がり、観光客が行き交う末広町を、男は肩をすぼめて歩く。
*コメントをいただいた、ロック仲間様。コメントを承認すると公開されてしまいますので、保留にしました。今は、私の胸の中に仕舞っておきます。会った時に話しましょう(笑)
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