八戸・三社大祭から見る函館

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先日お伝えした青森旅行の八戸で、初めて「三社大祭」という祭りを見た。それを見るために訪れたわけではなかったが、駅からホテルに向かう途中に祭り会場の横を通った時、これは面白そうだ、せっかく来たのだから見てみよう、とホテルで少し休んだ後にくり出した。

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青森の祭りと言えばすぐ思いつくのはねぶた祭りでしょう。私も正直言ってそれしか知りませんでした。ところが、この八戸三社大祭も青森県南部最大の祭りで、国の重要無形民俗文化財にも指定されており、ねぶた祭りの人出が期間中300万人超であるのに対して、三社大祭が約110万人と単なるローカルな祭りとはとても言えない規模の祭りのようです。ちなみに函館の港まつりは約30万人から40万人程度であると推測されます(ネットで調べた範囲では統計が出て来なかったため、一部わかっている数字からの推測です)

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私が観たのは、祭りの「後夜祭」という最終日のイベントだったようだが、祭りそのものも絢爛、パワフル、あでゆか、熱気、などといくつもの言葉で表現したくなるほどの、観る者にとって「ワクワク」を与えてくれるものだった。

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祭り自体もそうだが、何よりも観客の多さにはびっくりした。それも若者が想像以上に多かった。そして家族連れ。函館ではあまりお目にかかれない風景だった。

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そこで、八戸と函館両市の人口関係を調べてみた。八戸の人口は約23.6万人、函館は約26.9万人と函館の方が多い。しかし、一世帯あたりの人口になると、八戸が約2.2人に対して、函館は約1.8人と少ない。この数字から八戸の方が「家族」が多いことがわかる。それは子供のや若者の数が多いという推測が成り立つわけでして、実際に祭りに来ていた子供や若者の数には圧倒されました。
あぁ、函館にもそんな時代があったな、とふと思ったりします。

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祭りの歴史が、八戸が290年であるのに対して函館は80年と歴史からしても違うのですが、もっと気になったのは、八戸の繁華街は駅で言うと「本八戸」というところに集中しているのに、我函館は駅前・十字街・本町・美原。昭和方面とまったくのばらばらになっている。八戸の人口はここ10年間でも減少が微小であるのに対して函館は1割も減少している。

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本八戸は新幹線が止まる「八戸」駅から2つ目の駅だ。新幹線開業によって多少のホテル・商業施設ができたが、「繁華街」という意味では今でも本八戸である。つまり「中心」が変わらないのだ。そういう町は元気がある。
あちこちその時のちょっとした利便性で繁華街が移動している函館はそうではない。祭りの規模の違いがあるとはいえ、その盛り上がり方から、住民全体のパワーは八戸の方があるようにしか思えない。

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やはり中心街が動かない街の方が活気があるのだ。
札幌や東京も、細々した流れはあるにしろ、中心街繁華街はずっと変わっていない。だから繁栄しているのだ。では、函館を活気ある街にするためにはどうしたらいいか、その答えは説明するまでもなく、賢明な読者であればお分かりになるでしょう。




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by jhm-in-hakodate | 2015-08-09 23:25 | | Trackback | Comments(3)
Commented by 元函館人 at 2015-08-10 10:56 x
気になったので人口比率を調べてみました。
老年人口/生産人口/年少人口(単位は%,平成26年12月の住宅基本台帳より)
函館市:31.0/58.6/10.4(北海道:26.8/61.6/11.7)
八戸市:26.6/60.8/12.6(青森県:27.5/60.7/11.8)
全国 :24.7/62.3/13.0
都道府県単位で見るとほとんど差異がないのですが、都市単位で見ると函館の老年人口が目立ちます。
というか函館が極端に少子化・高齢化が進んでいるようです。

少子化に関しては経済的な事情などからやむを得ない可能性があるので、比率を見直すには若年層の移住誘致でしょうか。
そのためには新たに基幹産業を発起しないといけないと思いますが。
函館の中心街に関してですが、産業の変遷と人口増加にともなって東側にシフトしていったと習った気がします。(といっても僕が住んでいた時には美原地区が栄え始めたころまでですが。その後にどうしてどうして昭和地区になったかは推測できません。)
他の都市を参考にしても中心街になりうる場所は交通の拠点になっていることが多いでしょう。
函館は地下鉄が無く市電も衰退しているので他の交通を基準に、JRの駅から近く駐車スペースが整っている状況、かつ居住区から適度な距離にあり、さらには空港からのアクセスも問題ない立地はどこになりますでしょうか。
僕はこの命題に解無しだと考えています。
Commented by jhm-in-hakodate at 2015-08-11 20:04
元函館人様、色々な要素が絡みますので一言では説明できませんが、概要としては、子供が進学・就職の際に、自分の未来を託す街として函館を選択していないからだと思います。
そのために、函館で新たにできる家族が少なくなり、老年人口率が高くなっているのだと思います。
また、郊外型ロードサイド店舗ができると、そちらの方面に人が移動し、人口が分散してしまうのも、大きな視点から言いますと、都市機能が劣ってしまう原因となっております。衰退していく地方都市はだいたいこの図式に当てはまっています。(私が見て来た範囲ですが)
Commented by 元函館人 at 2015-08-12 09:58 x
レスポンスありがとうございます。

未来を託せるかという点に関して、確かに選択しにくいかもしれませんね。進学についてはわかりませんが、「函館のこの企業に就職して欲しいねん」というのは無さそうです。

人口の分散ですが、人の移動より店舗が先との考えなのですね。最近では郊外の大型店舗(イ●●とか、ら○ぽ○ととか)の進出が多いので充分考えられうることです。
ただ、函館の地形を考えると旧市街地(十字街から大門まで)のキャパって人口10万人くらいじゃないですか?いや、もっと少ないような。

自分が住んでいたころは平成の大合併前で人口31万くらいだったんですが、隣町へ移住する方が多かったです。住居が五稜郭公園の近くだったんですが、買い物は美原8・(西○・テー▽ー含む)五稜郭2・大門1でした。一番の理由は駐車場です。隣町に大きなダ●■ーができた後はかなり比率が変化しましたが。

東京・札幌に居住経験があるのですが、都市の規模が違いすぎてどこをどう倣えというレベルではないと思います。
同規模の都市が思い浮かばないんですが、様々な条件を含めて今住んでいる福井が一番近いかもしれません。栄えている気はしませんが、衰退していっている気もしません。というかどこが中心街かよくわかりません(着てすぐの頃繁華街ってどこと聞いたら金沢と言われました)。駅前近辺は若干シャッターが目立ちます。
気づかないだけでやはりここも衰退の一途を辿っているのでしょうか。


あと、港祭りって今でも大門でやっていません?
それだけでも拠点として充分君臨しているような気がするのですが。