ミステリー!涙を流す少年の像_a0158797_22491213.jpg
元町公園にあるブロンズ像

これは先日撮影した元町公園にある、安藤泉氏作の「大地と海と僕たちと」という幾つかの像を集合させてひとつの作品としたものの一部である。この作品の中には、私が好きで勝手に命名した「港を見つめる少女」もある。

さて、写真をよくご覧いただきたい。少年の目から、まるで涙が流れているような印がある。これと同じ像を今年1月にも撮影したが、その時の写真と比べていただきたい。下がその写真だ。
ミステリー!涙を流す少年の像_a0158797_2313063.jpg

全体的に引いて撮っているのでわかり辛いかもしれないが、その時はこのような目からの一筋の白っぽい模様はなかった。もしあったら、写真とは別に記憶に残っているはずである。いくら記憶力が頼りなくなってきた私でもそのくらいは憶えているだろう。

つまり、1月から5月の間にこの「涙」は流されたことになる。この間にあったことといえば・・・・言わなくともわかると思うが、東日本大震災である。少年は、多くの犠牲者を出した悲しい出来事に泣いたのであろう。
もちろん、物理的に調べたら原因はわかるだろうが、私はそう思いたい。


いつもお読みいただきありがとうございます。どうかクリックしてください。
にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 函館情報へ
にほんブログ村
新撰組最後の地標_a0158797_22275126.jpg

市電「函館どっく前」電停隣に児童公園がある。私が子供の頃からある公園だ。この公園の厳島神社側に、上の写真の石標が建っている。
これは、地元民においても馴染みのないものだ。それもそのはず、建立されたのが昨年11月、つまり半年前だったからだ。
新撰組最後の地標_a0158797_2235238.jpg

この標を建てた方々は「函館歴史顕彰会」であり、その中には、函館の歴史書を多数発刊している称名寺の住職、須藤隆仙氏の名が連なっている。
そして、標の裏側にはこんな文字が彫られている。
新撰組最後の地標_a0158797_22434189.jpg

「箱館戦争のとき、旧幕府軍の一隊として、ここにあった弁天台場を守っていた新撰組百余名は、明治二年(一八六九)新政府軍の猛攻撃で、五月十五日に降伏した。ここが最後の地である。」

ここで誰もが疑問を持つに違いない。「ここにあった弁天台場」となっている所だ。弁天台場跡の標がどっく正門前にあるのはご存知のことだろう。どうして2箇所も標が?と思ってしまう。
そこで調べてみると、簡単に言えば、児童公園前は台場の入口附近の場所にあり、どっく正門前は台場の中心部に位置するようだ。だからどちらも間違いではない。児童公園前にはちゃんと説明版もある。だから、ここが新撰組の最後の地だとしても不思議ではなくなる。

これは物凄いことなのだ。全国には数え切れないほどの新撰組ファンがいる。その方々は当然新撰組の結末にも感心があるはずだ。そんな重要な場所を曖昧にしておくのは、函館ならではの歴史に対する粗雑な扱い以外の何物でもない。
日本の歴史の中で、最も大きな流れが変わった幕末の物語の結末を飾るものが、この函館には山ほどあるのに、なかなかそれを大切にしようとしない。本当に残念だ。

明日15日は新撰組が事実上の解体を余儀なくされて142年目になる。つまり、江戸幕府が「本当に」倒れて142年経ったことになる。


いつもお読みいただきありがとうございます。クリックをお願いします。
にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 函館情報へ
にほんブログ村
函館から大企業が誕生しない理由_a0158797_2248559.jpg
チャチャ登り

函館に戻り住み1年8ヶ月が過ぎた。もうストレンジャーではなく、市民として住んでいるつもりだ。この期間、仕事上でもプライベートでもかなり多くの人と話した。
プライベートでの会話は、楽しく話すのが元々好きであるので、相手も気楽になれるように努めて話しているせいもあり、また自分もリラックスしているので心地良い時間を過ごすことができている。だが、仕事で知り合う方々との関係で、どうしてなのだろうと首を傾げることがしばしばある。

仕事上で知り合うということは、営業と客という関係での出会い方だ。つまり利害で成り立っている関係である。この点に関して、今私は大きく考え方を変えなければならない必要性に迫られている。
どういうことかというと、今までで学んだ「仕事がスムーズに進む接客方法」が通用しないからだ。

例えば、道内他地域では、必要な時に必要な接触を行い、次の約束をしたら互いにそれを遵守するという関係で商談を進めることができた。もちろん全部が商談成立するわけではなく、他社で決められることもある。それは仕方のないことだ。自分の交渉が悪ければ反省しなければならないし、先方のニーズがどうしても合わなければ諦めざるをえないこともある。この失敗を繰り返し、学び、時とともにより多くの顧客に対応できるようになって成約率も高くなっていく。
そんな具合でやってきた。お陰でそれなりの売上も達成することができた。

ところが、函館はそれが通用しない。約束をしてもそれが守られないことが多くある。
例えば、今度の金曜日に電話します、それで都合のいい時間を確認してお伺いしてもよろしいでしょうか?と、問い、先方からOKをいただいたら、こちらはその約束を遵守して、当日に電話をする。ところが何度電話をしても出ないのだ。それも携帯電話でもだ。こんなケースが驚くほど他地域より多くある。

気が変わったとか、やっぱり話を進めたくない、私が嫌いだ、あるいは能力がないから期待できない等の理由があるのなら、堂々と電話に出てその旨を話せばいいのに、なぜか電話に出ない人が多い。
他地域ではレアなケースだ。約束をしていないなら別だが、約束をしているのにどうしてなのだろうか?考えてみた。

函館は「しがらみ」が多い街である。人の目や声を気にする人も多い。鬱陶しいと思ってもこなさなければならない人間関係が多数存在する。本当はそんな面倒なことから逃避したいのだが、だからといってまともにそんなことを相手には言えない。人間、そんな抑圧があればどこかでそれを実現しようと無意識で考える。それができるのは関係性が脆弱で、立場的に優位に立てる「客」という立場だ。それゆえに無視をする、という場合と、逆にしがらみの多い中で、堂々と言葉で断ることができないから電話に出ないという場合だ。

いずれにしても、対人関係においては「いい顔をしたいから」断ることができなかったり、その反動の無視をしたりすると推測される。
売れている営業はこれを逆に利用する。もっとも有効にその力を発揮するのが、何度も登場した「しがらみ」だ。しがらみの営業は自分の対面を守ろうとする人には有効だ。しがらみといっても、実際にその関係でなくともいい。しがらみに弱い心理体質を利用するだけでいいのだ。函館ではこれでけっこう売れているようだ。純粋に商品やサービスを比較して、自分にとっての利益がどれだけあるかなどで判断するわけではない。

この体質は、より良い商品やサービスを誕生させない。利害関係のある相手との良好な付き合いを重んじているだけで商売が成り立つのであれば、商品・サービスの向上の必要性はなくなる。逆に言えば、しがらみ(ないし、しがらみ心理体質の利用)を上手くやれば、質が悪くても売れるのだ。
「顔を知っている相手」だけに通用する手法だ。だが、これは全国では通用しない。商品・サービスが良くなければ、しがらみのない人には受け入れてもらえない。函館にはこの視点を持たず、ずっと市内だけでちょっと規模が大きくなったらそこで満足してしまう企業が過去にも現在にも嫌というほど存在している。それに気付いている者も多いかもしれない。しかし、目に見えない未知のユーザーよりも、普段顔をあわせる者だけを大切にする気質を改善しない限り、函館から大企業は決して生まれたりしないであろう。なぜなら、函館以外では、しがらみ営業は通用しないからである。

もちろん大企業があれば単純にいいというわけではない。中小で地道に長くやっているところも好感を持てる。だが、残念なことに、本州や札幌から企業・店舗が進出してくると、体力や能力で劣る地元企業はあっさりと白旗をあげなければならなくなる。
一例をあげよう。私が以前住んでいた新潟県には、県内発祥の「ムサシ」(社名、アークランドサカモト)とコメリという巨大ホームセンターが2社もしのぎを削っている。両社とも東証一部上場企業だ。この2社の圧倒的商品提供力によって、関西などからホームセンターが進出しても、地元民からすると、「そんなのあった?」という程度の認知度しか持たれなくなってしまっている。
札幌から関東附近まで進出を果たしているホーマックも、隣の山形県までで進出を止めている。新潟県には進出していない。結果がはっきり見えているからだ。そのくらい両社は巨大であるし、客として訪れても、両センターとも甲乙付けがたい魅力を感じてしまう。北海道に戻ってきて、道内のホームセンターには今でも物足りなさを感じてしまうのは、この2つを知ってしまっているからだと思う。

最初の話からは大きく外れてきたように思うかもしれないが、ちゃんと関連性はある。企業を作り運営するのは地元民であり、その地域環境も企業を育てる上で重要なファクターとなる。函館市民がしがらみや顔を知っている者にだけ好対応するという習慣や強迫観念から脱出できたなら、そこから違う世界が見えてきて、そのうち大企業が誕生するかもしれない。結果的にそれは地元の経済を守ることでもあるのだが。



いつもお読みいただきありがとうございます。どうかクリックをお願いします。
にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 函館情報へ
にほんブログ村