再び函館市景観条例への提言(撤去が決定して)

a0158797_22114113.jpg
元町、船魂神社にて。この静けさが元町の魅力のひとつでもある。

北村水産の女神像撤去声明のニュースはツイッターで知った。恐らくNHKニュースで見てすぐの速報を流したのだろう。早かった。改めてツイッターの即時性の高さを知ることとなった。
そのツイッターをしばらく読んでいると、今回の女神像問題に付随して、本体の建物のデザインの酷さも批判の的となってしまった。このブログのコメントにもデザイン性の指摘が多数あった。

まぁ、確かに店舗も帳尻合わせの取って着けたようなデザインであるのは間違いない。あの建物を素晴しいと言う人はそうざらにはいないだろう。
また、場所も二十間坂を下から見上げた時、左右の街路樹の連なりがまるで北村水産のために用意されたかのように錯覚してしまうほどの絶好の場所にある。そして二十間坂はベイエリアへと続く。つまり見事に函館の観光の顔となったわけだ。
今回の一連の事柄を「景観問題」という位置づけをするなら、この店舗建物も大きな問題であることは確かだ。

だが、店舗は女神像のようにはいかない。条例違反ではないからだ。景観と合わないというのは主観の問題で、それを明確な理由もなく否定すると憲法の表現の自由の問題にも抵触してしまうことになる。逆に細かくデザインを規定すると画一的なものになってしまい、新しい建物はみんな同じだ、ということになってしまう。本当にデザインは難しい主観の問題である。

そこで、この北村水産の二十間坂の店舗については、特別措置としていくつかの現形状からのリフォームデザイン案を提示して選択してもらい、リフォーム代金の一部を補助金として供与して外観変更をしてもらうというのはどうだろうか?
本当はこんなことに我々の税金を使われたくはないのだが、景観を楽しみにやって来た観光客の落胆や批判に直面するよりずっとましだ。観光客数の減少が加速度を増すよりまだましだ。そして、「函館の顔」として恥ずかしくない外観にしてもらうしかない。

その特別措置で何とか軌道修正したら、今後の新築案件に対する審査方法の改正だ。
これは、以前私が提案した、建築確認申請がなされたら、都市デザイン課は市HPと1階のどこかの場所に書面で掲示及び市政はこだてでの公開を通じて広く是非を市民に問うのだ。そこで一定期間の公開中に一定の反対票がなければ承認という手続をとる。
ただし、ここで問題が生じる。どうしても利害や感情の関係で、その建築主や施工主に建てさせたくない場合に、組織票を動員して不正な反対決議がなされてしまう可能性があることだ。これについては、その対策を事前に考慮しなければならないだろう。

ともかく、もう二度とこんな問題を起こさないためには、市だけに任せておくわけにいかないことを、今回のことで我々は嫌というほど学習したはずだ。面倒ではあるが、我々が注視して我々が街を守るしかない。それができたら街は我々が゛作ったことになるのだ。
そしてそれは函館の歴史の中に刻み込まれるだろう。
by jhm-in-hakodate | 2010-07-15 23:16 | 函館の街並・建物 | Trackback | Comments(4)
トラックバックURL : https://jhm1998.exblog.jp/tb/10981286
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by ayrton_7 at 2010-07-16 16:30
私なら景観から利益を得ている観光業者を中心に観光税をかけ、それをもとにリフォームの補助金とします。
Commented by midy at 2010-07-16 23:13 x
残念ながら今の函館の状況からすれば、jhmさんの望むような方向にはなかなか行かないでしょうね。
個人的には生活の細部に至るまで法律や条例で規制するという方向はあまり賛成出来ないスタンスでいますので、行政の市民生活への干渉は出来るだけ控えて欲しいと思っています。
jhmさんがたびたび指摘するように、函館の接客態度も含めて第三次産業の倫理観って、まさに「自己中」。
条例にも限界がある以上、この倫理観の欠如は「景観」という曖昧模糊とした対象にとっては致命的とも言えると思います。
今回のように「とんでも業者」が出て来たら、ひとつひとつ市民活動で潰して行き、次第に「枠」が出来て行くのが理想的ではないですか?
一方で、今回の件でなんら行動を起こさなかった市の経済界の在り方が問われることになると思います。
商業者の倫理観を高めるための活動を商工会議所、青年会議所辺りが中心になって地道に改善して行かねばならないと思います。

Commented by jhm-in-hakodate at 2010-07-17 01:02
ayrton様、リフォームに関係のない観光業者から不満が出てきませんでしょうか?
ここは、このようなことをしでかす人物を産んでしまった「函館」の責任と反省として、一般の税金からを使ってもいいのではないでしょうか。
Commented by jhm-in-hakodate at 2010-07-17 01:16
midy 様、しがらみの多い経済界の自浄能力を期待するのはそれこそ難しいでしょう。
それに、時代は一部の特定者による行動から市民の声が活かされた行動へと移っております。市民による言動は、同時に市民にも責任が生じることにもなります。
その責任を真摯に受け留める証が、市民が作る条例であると考えます。
また、市民運動には物凄いエネルギーが必要とされます。弥生小学校の陳情不採用となった時、運動にほんの僅かしか関わらなかったのに大きな虚脱感に襲われました。そのような市民運動を常に実行していくのは仕事を投げ出さない限り、普通の人間には出来ないことだと思います。だから、ある程度の制度化は必要と考える次第です。