自由の女神さんと愉快な仲間たち

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旧相馬邸の正門。正面玄関内から撮影。

今朝、北海道新聞の道南版のページを開くと紙面の半分を使って「二十間坂・自由の女神像撤去へ」と題した記事が掲載されていた。てっきり昨日の夕刊の簡単な報道だけで終了と思っていたため、北海道新聞も真剣にこの問題に取り組んでいるのだ、と興味を持って内容を読んだ。だが、紙面に登場した面々のコメントや記事に次々と疑問が湧き出てきた。
以下は、北海道新聞が掲載した関係者のコメントが脚色されたり大事な部分を省略していないという前提で述べる。

まず、北海道新聞の報道について。

報道である以上中立の立場を守った報道をしなければならないのは当然である。だが、現実的にはそれは不可能である。なぜなら、いろいろ聞いたコメントのどれを記事にするかという判断、複数の人より得たコメントや情報の内、どれを採用するかという判断は記者ないし編集者の「指向」に頼るしかない。
だから、中立性といいながらどこかの部分を中心にして記事を展開しなければならないのだが、『「景観との調和」課題を残す』との大文字の見出しを入れながら、この記事の主人公は「景観」ではなく「北村社長」になってしまっている。
うがった見方をすると、北村社長は致し方なく撤去に応じたが、本当はそんなに酷い人間ではなくちょっとした過ちで吊し上げられた可哀想な人物、という展開にしたかったとも見える。
そうでなければ、このようになった事態の教訓や景観に対しての有識者のコメントをもっと違った角度から取材し報道していただろう。それで初めて先程の大見出しが生きることになるのだが、課題に関する記述はほんの僅かで半分以上を北村社長関連に費やしている。
いくら冒頭の完全な中立性は保てないからと言って、これはあまりに酷すぎる。記者が蟹でもお土産にもらったのかと疑ってしまいたくなる。

次に都市建設部のコメント。

結論から言って、とんちんかんである。同部荒井俊明部長のコメントが掲載されていた。「トラブルのないようにわかりやすい条例にすることが大事」とある。まず、どのようなトラブルを想定しての言葉なのだろうか?「例を示したガイドブックなどを作り、条例をよりよくしていきたい」とあるが、例を示すと違反の具体的概要が限定的に捉えられ、条例が狭義のものとなりかねなくはないだろうか?
それよりもより大切な市民や有識者との意見交換を求めるといった見解を述べる度量はないのだろうか?このコメントでは、ますます混迷を増す条例になる可能性だってある。

次に歴風会の会長のコメントだ。

自分たちの会員が要望した改善要求の内容の検証を全くしなかったの?と思わざるを得ないコメントである。また、それを本人は認めている。自分はただ会員が要望したから立場上要望書を提出しただけ、と言わんばかりである。
会では女神像のみならず、カラオケの騒音や看板・排水処理などの改善を求めていたのだが、会長はあっさり「まぁ、わかった」と妥協したとように読める。これでは訴えた会員は納得できないであろう。仕方なく北村社長と話し合って、体裁だけ整えたと思われても致し方ないし、市民団体の反対とはこの程度のものかと思われてしまう危惧もある。

最後に、「主人公」北村社長だ。

まず、知人の説得によって決断したとは何と市民を馬鹿にしたコメントであろうか。本人はドラマの中に自分を置き、友情物語を語ったつもりかもしれないが、我々からすると、「それで?」と言いたくなってしまう。
あなたは市民に向かって話しているのか、どうなのかということだ。優秀な経営者であれば、例え嘘でも「市民に貢献する手段を誤った」とか何とかの言葉を思いついたはずだ。それすらもできないのは、常々このブログで述べている、自分さえよければ人はどうでもいいということと謝ったら負けの両者の代表選手であることを暴露したことになる。
まぁ、そんな人物だからこのような騒動を起こすことになったのだろうと思うが、終始「自分の物語」に徹して他者に目を配らない人物であることは今回のことでよくわかった。だから、「景観」という他者も無視してしまうのだ。

今回の報道を読み、私は益々前回のブログで提唱した方法以外に「関係者」をコントロールする方法がないとの想いが強くなった。市民が景観を決定するということは、市民に大きな責任が生じるということだ。
それができなければ、「自分のことしか考えない、謝ることもできない」人の思うがままの街になってしまう。
by jhm-in-hakodate | 2010-07-17 00:55 | 函館の現状について | Trackback | Comments(2)
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Commented by hakodadi at 2010-07-17 10:05 x
私が「電子署名」関連ブログで少しだけ触れたことをしっかりと論じて頂いて、「同感」です。この問題では道新は最初からポイントの置き方を間違えていましたが、今回の記事は極まれり・・・
Commented by jhm-in-hakodate at 2010-07-18 00:05
hakodadi 様、的確な論評と評していただき、ありがとうございました。
今回の記事、記者・編集者がおかしいから登場人物のイメージがおかしく見えてしまったのか、もともと関係者そのものが全部おかしいから記事にまとめれなかったのか、その両方なのか、時間が経つにつれわからなくなってしまいます。(笑)