ただ あなたにGood-Bye

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高龍寺の塀外側。こんなに花で飾られているのは、いつからなのだろうか。

井上陽水の曲の中で最も好きなもののひとつが「最後のニュース」だ。
筑紫哲也さんのニュース23のエンディングテーマ曲として有名だ。そして、見事に番組及び筑紫さんにこの曲はマッチしていた。番組のなかで提起していた問題が、CMやスポーツコーナーなどで忘れそうになる番組最後にこの曲が流れると、筑紫さんがその日伝えたかったことを思い出させてくれた。
世界中にいろいろな悲しみや苦しみや短絡的に解決しない問題が病原菌のように潜在していることを知らせてくれた。

この曲を聴くと、やっぱり日本人は平和で脳天気な国民なのだと思う。平和なのはいい。何かに苦しんで次々と人が死んだり争いごとが絶えないよりもいいに決まっている。だが、それも世界にある不幸や苦しみや憎しみを知っていて平和を守ろうとするのと、平和が太陽が東から昇るのと同じくらい当然だと思っているのとでは大違いである。

そして、筑紫さんの年代の方々はそれを強く訴えてきた。穏やかな語り口調だったが気骨は充分に伝わってきた。
世代を追う毎に気骨は失われていく。私の先輩の世代に比べると私たちは気骨が無い。だが、私より下の世代になるとより気骨が薄く感じる。これは宿命なのだろうか。私の両親は昭和一桁生まれだ。若い時に戦争を体験し、その貧しさや苦しさを充分知っているから強い。だが、明治女である祖母に比べると母は弱い。母は時折愚痴も言う。だが、祖母は泣き言どころか一切人に弱さを見せない。気骨の塊みたいな人であった。その弱い母に比べ、妻はもっと弱い。祖母を鉄とすると妻はのびてコシの無くなったうどんのようだ。

何かを伝えること。それはその世代によって役割は異なってくるだろう。だが、方向は同じでなくてはならない。そんなことを筑紫さんと陽水から教えられたような気がする。

下の映像は筑紫哲也追悼番組で歌った陽水の「最後のニュース」である。涙ぐんだ陽水の歌はめったに聴けない。




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by jhm-in-hakodate | 2010-12-17 23:53 | その他雑感 | Trackback | Comments(0)