「JIN-仁」と「陽だまりの樹」

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ナナカマドの実と入舟町の街並と函館山。

今年の正月は実家で義弟と「JIN-仁」のディレクターズカット版を一緒に観た。一昨年10月より12月までTBS系で放映された、高視聴率ドラマだ。
このドラマは、ドラマ嫌いの私にしては熱心に観た。時代背景が幕末であるということだけで惹き寄せられるものがあるのに、もうひとつの楽しみとして、手塚治虫の「陽だまりの樹」に酷似している部分が多くあったことが追い討ちをかけた。

手塚治虫の「陽だまりの樹」をご存知ない方は是非一度読んでみるといい。手塚氏の代表作のひとつに数えられても何の不思議もない傑作だ。それ程面白い。
この「陽だまりの樹」は手塚治虫の実の曽祖父である医師手塚良庵と、架空の人物である武士伊武谷万二郎の両者が主人公となり、立場や考えの違いはあれども、大きなうねりが襲う時代の波に呑み込まれていきながらも、それぞれの生き方を貫くという漫画である。

「陽だまりの樹」が1981年連載開始であるのに対して、「JIN-仁」は2000年の連載開始であるから、JINの作者村上もとか氏が「陽だまりの樹」を熟読した可能性は高い。
両者の類似点を挙げてみよう。まず、時代背景幕末で主人公が医師、登場人物に坂本龍馬、勝海舟、伊東玄朴、松本良順、そして何よりも主人公に大きく関わる医師が緒方洪庵であるということだ。
おまけに、双方共に吉原に情婦の患者がいたことや、主人公が医学界に雇われた殺し屋に狙われるという点(但し、陽だまりの樹では漢方医側の刺客であるのに対して、JINは同じ蘭方医側との違いはある)と、中心の舞台となるのが西洋医学所(後の東大医学部)である等々。

「陽だまりの樹」は日本の一部の地域ではアニメが放映されていたが、北海道での放映はなく、また、舞台(2002年上演)でも中井貴一が演じる手塚治虫が江戸時代にタイムスリップして、曽祖父である良庵(これも中井貴一が一人二役)を見るというストーリーになっているそうだが、これも東京だけで上演した舞台であったため当然観ていない。この舞台などはJINのタイムスリップを借用している点からして、脚本家も双方の共通点を察したのだろう。

ともかく、そんなわけで私にとっての「JIN-仁」は、「陽だまりの樹」の実写版の代わりという側面を持ちながら視聴したわけだ。そして面白かった。だが、幕末という時代の持つダイナミズムを的確に表現できているのは、やはり「陽だまりの樹」の方である。「JIN-仁」は、背景が幕末ではなく明治初期・中期でも充分作れる内容だ。

まぁ、こんなことを書いているくらいだから、多分一般の方々とはドラマの楽しみ方が異なっていたと思う。だが、中には私と同じように「陽だまりの樹」をご覧になり、私と同じように「陽だまりの樹」と比べながらドラマ「JIN-仁」を観た方もいらっしゃっただろう。
その方にはきっと私の気持ちがわかっていただけるかもしれない。



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by jhm-in-hakodate | 2011-01-12 23:55 | その他雑感 | Trackback | Comments(4)
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Commented by 旅人 at 2011-01-13 15:58 x
「JIN-仁」見てました。
坂本竜馬は福山雅治よりも内野聖陽だろうと思いました。
Commented by jhm-in-hakodate at 2011-01-14 00:28
旅人様、私もそう思います。福山雅治はやはりきれい過ぎます。龍馬はもっと泥臭い人間であったと思います。勝手なイメージですが。
Commented by 伊予 at 2011-05-14 22:45 x
先人たちはその立場こそ違え一生懸命に生きていたことお察し申し上げます。
今私たちは何をなすべきか?
鎮魂 先人に感謝! 安らかなる事祈ります。
Commented by jhm-in-hakodate at 2011-05-15 00:13
伊予様、色々な劇的な出来事が重なって現在の私たちがあります。
そして、この函館は先人たちの築き上げたものに多く依存して生きています。本当に感謝しなければならないと思います。