みんなって誰のこと?

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ベイエリアにて。これは失敗作だ。

まず、上の写真について。このように歩いてくる人を撮影する場合、予め予想される到達位置にピントを合わせてじっと待つようにしている。被写体追尾機能がないカメラではそうするしかない。それは上手くいったのだが、自分のイメージでは、この若い女性を、フレームから外れようとしている位置で捕らえたかった。つまり、写真向かって左に体の半分が写るように撮影したかったのだが、シャッターを速く押しすぎて、女性がど真ん中に写ってしまったのだ。
完全に失敗作だ。これでは、単に若い女の子を撮りたかっただけのスケベおやじである。はい、そうです。私は単なるスケベおやじです。

さて、話はがらっと変わって、日常的な会話の中で、よく耳にしたり、あるいは自ら口にしてしまう言葉に「みんな〇〇なのに」だとか、「みんな〇〇しているのに、どうしてあんただけ」というものがあるだろう。

この言葉を聞いた時、あるいは話してしまった時、あなたはこう疑問を持ったことがないだろうか?
「みんなって、具体的にどこの誰のことだろう?」
明確にこの疑問に答えることができる人がいたら、神様のような人か物凄い勘違いに全く気が付いていない人のどちらかであろう。
例えば、誰かが私に「みんなあんたのことをこう言っているよ」と話したとしよう。その時、私は先程の疑問を持つ。一度そう話した人に尋ねたことがある。「みんなって誰?」すると相手は、「何々さんとか何々君とか、その他にもたくさん」と答える。そこで、「たくさんって、全部で何人?」と再び質問をする。すると、言葉に窮するのか「とにかくみんな」と具体的には答えない。私は、「では、あなたはどう思っているの?」と訊いてみる。それでやっと相手は「私もそう思う」と白状をする。これが答だ。

私に対して一番言いたかったのは、本人なのである。だが、自分に確信を持てないから、「みんな」という背景ができなければ言えないのだ。他の者が何を言うか思っているかは別として、自分はどう思うのかを堂々と話せないのだ。
これはいわゆる子供のいじめの心理構造そのものである。自分で自分の考えを堂々と話せずに、人を利用して、自分を守れる環境になったらやっと発言する。いじめを起こす集団の心理構造はこんなものだ。
もし、「みんな」が存在しない段階で、一対一で話したらどうなっていただろうか?きっとそんな会話にはなっておらず、普通の会話で何事もなく終わってしまっているだろう。

では、「みんな」とはどこからどこまでの人なのであろうか?それは恐らく、その人が共有していると思い込んでいる小さな集団のことではないかと思う。違う言い方をすると、交際範囲が狭く、狭い視野の中にいる者ほど、容易に「みんな」という言葉を発するようになるということだ。
世の中を知り、色々な考えや、色々なタイプの人間がいて、そのような人が社会の中で、あるいはその人の人生で息づいているのかを知ってくると、簡単には「みんな」という言葉を使えなくなる。
だから、もしあなたの会社で、「みんな」という言葉が頻繁に出るようであれば、閉塞感で視野が狭くなってしまっている証拠であると考えられる。

もちろん、例えば会議の中で「みんなこうしよう」と言った場合の「みんな」は出席者全員を指すわけだから問題ない。私が、このブログで「みんな」と叫んだら、ブログを読んだ人全員に呼びかけているわけだから、何もおかしくはない。
だが、小さなコミュニティーの中だけにしか目を向けない者が話す「みんな」は、ある意味恐ろしい。数少ない賛同者でも、そのコミュニティーの中で多数を占めたら「正義」になってしまうからだ。

本日で私は満53年間生きていたことになり、54年目に突入した。私にも「みんな」という隠れ蓑を使って人をよく批判した時期があった。今思うと卑小で恥ずかしい自分であった。そこからは何も生まれてこない。ただ卑屈なまでに自分を守ろうとする姿があるだけだった。
それは大人がやるべきことではない。大人になってまでも、小さなコミュニティーだけでの共有意識が世の中の全てと思ってしまうのは、子供の頃から何も変わっていないというのと同じことだ。
私も、53年も生きて来たのだから、少しは成長したいものだ。


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by jhm-in-hakodate | 2011-09-21 23:25 | 社会・経済について | Trackback | Comments(1)
Commented by Sakurako Tanaka at 2012-12-09 00:22 x
Love your photos!! Thanks, Aidan's mom いつもありがとう