どうして中心街が駅前なのか(6)
今、函館は道路状況が非常に悪い。大雪が降った後、道路の両側の雪山が広がり、片側二車線の道路が一車線になっていたり、走行できる道路もデコボコの上に凍って、非常に滑りやすい状態になってしまっている。要は、除雪がなかなかはかどらないから、このようになってしまっているのだが、それほどの予算も採れない市の財政であれば仕方ないというしかない。
その反面、隣の七飯町や北斗市では、かなり除雪が進んでいるという。このような違いは地方自治団体の財政の問題もあるかもしれないが、道路の本数の違いもあるかもしれないと推測する。違う言い方をすると、函館は、予算の割には市街地が拡がり過ぎている、ということになるのだろうか。
さて、前回提示した、函館の新地域役割について具体的に述べてみたい。
<中心地>
私は、新川町から千代台公園にかけての地域を函館の中心に据えるべきではないかと、ずっと考えていた。この地域に、主たる庶民向けの公共施設を集中させ、公共サービスを受けやすいようにしたらどうか。そして、ここを中心に高齢者が住みやすい住環境を整えていったらどうかと考えている。
そのシンボル的存在となるのが、市役所だ。現在東雲町にある市所有地と新川町・上新川町にある国の所有地を交換し、市役所を新川・上新川地区に移転させる。そして、東雲町に国の施設、裁判所や合同庁舎などを集合させる、という案だ。
この場所が絶妙な位置関係になっている。このあたりを中心として、周囲を住宅街に再構築すると、高齢者や「歩いて暮らしたい人」にとっては、この上ない環境を得ることができる。
ここから大門側には自由市場がある。そしてその先はショッピングできる駅前・大門地区だ。本町側には、途中に中島廉売があり、その先は本町の繁華街だ。
また、医療機関も近い。赤十字病院はすぐ目の前、共愛会病院や中央病院も近い、海岸町の高架橋を使うと、市立病院もそれほどの距離ではなくなる。救急車で搬送される時でも、病院までの到達時間がぐっと短くなる。
高齢者の方は、その日の用事と気分で、本町か大門のどちらかへ遊び、ないし買物に行けるし、病院へも、体調がよければ歩いて、そうでなくとも電車かバスの短い乗車時間で到着できる。
また、新川・上新川地区と本町の途中にある千代台公園の野球場と陸上競技場・市民プールを移設し、より一般市民が日常的に使う頻度の高い施設を建設し、散歩もでき、施設も利用できるという、現在のスポーツ公園から総合公園と用途を変更させると、高齢者や車であくせく移動したくない市民のオアシスとなる。例えば、図書館を千代台公園へ移設してもいいだろう。様々なイベントができる施設を作ってもいいだろう。今はそれなりの広さを有するイベント会場が少なすぎる。
スポーツ施設は湯の川地区に移転させる。なぜ湯の川なのかは後述する。
現在ある新川・上新川地区の国の施設は、一般市民が使用する頻度は非常に少ない。比較的利用されるのは職安だけだろう。その他は現在の位置でなくとも、そう支障がでないと思われる。まさかたくさんの市民が毎日裁判を受けたりしないだろうし、そうであってはならないだろうし(笑)
ここで東雲町にそれらを収納する土地があるのかという疑問をもたれるかもしれないが、市役所の前後にある広い道路の区画を変更すると、けっこう広い土地を作ることができると思う。そこに国の施設を建てるといい。ただ、費用的な面を考えると、市役所と合同庁舎を交換し、職安の場所に市役所別館を作るのが経済的ではないかとも思う。職安は大森町のサンリフレに移設しても充分ではないかと考える。
この新川・上新川地区は、どの方面から向かっても、到達しやすい場所にあり、函館の機能の中心地としてはベストだと思う。ここを中心に、特に高齢者を中心とした住宅地を作ると、無理のないかたちで、住・政・医・遊の環境を整えることができるのだ。
また、高齢者は役所が近いと安心する。何かあった時、高齢者は役所に相談したいものだ。函館がコンパクトシティとして市街地を縮小するという前提で考えた時、この場所が中心地となるのが最も相応しいと考える次第であります。
中心街は「商」を中心として考えるべきではない。住環境つまり「人」を中心として考えるべきだと思う。特に人口が減少する今後においては、人を大切にする街並形成をする必要がある。それを大前提として、このアイディアは生まれた。
その他の地域については、次回以降に説明します。
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考えるに、行政って、民が思うほど手抜きはしてませんし、その時に応じて、最善を尽くしていることを知って欲しいものです。決して予算の問題ではないんですよ。
あたしゃ、函館の人間ですが、函館に住めない理由がありました。それは「地価」でしょうかね。一旦買ってしまった住宅は投資物件でない限り、売り渡す段階では減価してますし、郊外に居を構えたものは、おいそれと函館の市街地にはなかなか戻れないのが実情です。バブル期に函館に戻ったはいいが、函館の西部や大門自体がバブルに浮かれて地価高騰し、結果、Uターンした階層まで郊外に居を構えた結果が今の函館の姿です。
住みたくても住めなかったルサンチマンを考えない今回の「コンパクトシティ」計画・・・。
しらけるムキはあるような気もします。あたし自身、不動産売買リスクを負ってまで、地価の高い函館に住もうという財力は、すでにないです。