十字街の名建築物、どうなる?

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函館市電「十字街」電停で電車を降りると、すぐ近くに何やら古めかしいが威風堂々とした建物があることに気付くだろう。筆者もしばらく鉄筋コンクリート造だとばかり思っていた木造2階建の「梅津商店」だ。
現在社名は㈱梅津となっているが、実はこの会社が自己破産申請を行っていたことがわかった。倒産だ。

倒産と聞いてすぐに思い出すのが、末広町のイチヤマ商店(旧石塚商店)だ。倒産後、しばらくの間建物は平穏そうに傍からは見えたが、結局ある日突然解体されたのが記憶に新しい。
この建物はどうなるのだろうか?正直言って、もうこれ以上の悲哀を与えないでくれ、と叫びたいくらいだ。

誤解していただきたくないが、㈱梅津の倒産を嘆いているわけではない。もちろん老舗が今でも繁栄していればそれも喜ばしいことだが、商売である以上、そのようなことはあり得ることだ。だが、それとともに「函館の財産」を失ってしまうことは、より大きな損失となる。

いくら私有財産だからと言っても、このような境遇になった時に市として何とかできないものだろうか。

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そもそも、函館の景観形成指定建築物の指定基準にも若干の疑問がある。対象となるのは、景観形成街路沿道区域内の昭和9年の大火以前に建築されたものとなっているが、現在では、大火以降に建築された「趣がある」建物が多く残っているし、それらも立派な景観に寄与している古建築物だ。

この梅津商店は、地区・築年ともに該当しない。梅津商店だけではない。この建物を皮切りに始まる、銀座通りの3階建コンクリート建築物の保存も必要だが、改訂された函館市景観条例でも対象地区とされていない。

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そんな中、銀座通りに面し、また、十字街アーケードの端にある、「松坂 金子商店」という結納・ご祝儀用品販売店にも養生ネットが張り巡らされていた。
見ると建築関係者が図面を持っていたので、解体ではなさそうだ。店内の商品などが全て取り除かれていたため、恐らく改装するのではないかと考えられるが、以前と同じ商売を続けるのだろうか?それとも違うものに利用されるのだろうか?

いずれにしても、今函館で最も面白い場所、十字街がまた変わってしまうのかもしれない。建物が残ったまま変わって行くことは大歓迎だ。しかし、函館の良さを消滅させて変わるのは、もう勘弁だ。
魅力よりも便利さを優先している街には、誰も魅力を感じるわけがない。利便性という基幹産業はないのだから。

昨日、関東から来られた観光客の方々と話した。函館にこんなに古建築物があるのは、空襲を受けていないからだと言われた。確かに一部地域は空襲されたが、被害にあっていない地域ばかりだ。
なるほど、関東から見ると、函館にはそんな幸運な巡り合わせがあったのだ。その恵まれた偶然を活かすのか、殺すのか、それは私たち次第である。



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by jhm-in-hakodate | 2013-05-18 23:43 | 函館の現状について | Trackback | Comments(0)
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