劇団G4、若者たち、未来
昨日、芸術ホールで行われた、劇団G4の創立10周年記念公演「逃げ水を追って」を観に行った。いつも思うのだが、演劇というものは難しいジャンルの表現手段だ。
あまりわざとらしく演じても、正直言って観る側も白けてくる。かと言って、映画のように時には囁くような小さな声では観客には届かない。観客に聴こえるような声量で演じるという制限の中で、様々な感情を表現しなければならないのだから、それ相応の演技力を要することとなる。
いっそのこと、ピンマイクをどこかに付けてやったらどうかと思うのだが、そうもいかないのが演劇なのだろう。その辺はいつも演劇を観ているわけではないので、知ったかぶりをするつものはないが、仮に、あくまで仮に私が演劇と映画のどちらに出演するかという選択があったら、私は迷うことなく映画を選ぶだろう。
なぜなら、映画は微妙な声の違いもマイクが拾ってくれるし、ちょっとした表情もカメラのズームアップによって拾ってくれるからだ。
だが、これは素人考えなのかもしれない。映画やドラマを観ても、面白い演技をしている役者は、やはり劇団出身者が多い。そこで演技の難しさを学んだ者だけが、映画でも表現者として観る者を魅了する演技ができるのかもしれない。
いずれにしても、どう考えても演劇は難しい。
そんな難しいジャンルに挑戦している若者たちを観た。正直言って細かな気になる点が数多くあったが、全体としては、1時間15分の物語があっという間に終わった気がした。これは脚本自体の面白さもあったのかもしれない。(決して演技が全くだめという意味ではありません)
例えば歌唱力が抜群の歌手でも、曲に恵まれなければヒットはしない。逆に最初は歌唱力がそれほどでもない歌手が素晴らしい曲を与えられ、表現力を身に付けて行くということもある。これは双方の力が作用しあって初めて素晴らしい歌となるのではないだろうか。そんなふうに思う。
演劇もきっとそうではないだろうか。優れた役者を誕生させるためには優れた脚本が必要だ。
その両方があってレベルが上がって行くと思う。
さて、写真は、公演終了後の役者さんたちなのだが、知人がこの中にいたため、無理を言って撮らせていただいたものだ。みなさん若い。まだまだ未来がある。そしていつかは函館の文化に寄与してくれる人たちなのかもしれない。
ジャンルは違っても、互いに刺激し合っていけばよりレベルが上がる。私は若くはないが、まだ何かを彼らに与えることができるかもしれない。逆に、彼らから何かを受け取る余力も残っているかもしれない。
もし、本当につまらない劇を観たのなら、こんなことは考えなかったかもしれない。これからはもっと若い人たちと接点を持っていきたい。そんな余韻を持った演劇だった。
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