自称「詩人」 jhm(2)

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顔を洗わない女/化粧をしない女

ベイストリートからホテルカリフォルニアにヒールがさしかかるとき
折れて転びそうになったね  それでも知らん顔
ホテルでは 君の好きそうな冠や賞状やバッヂが君をハグする
そう、近衛兵が右手を挙げるのを楽しみにしていたね
そして君はワインを思い切り 彼の頭にふりかける
表情一つ変えない彼の我慢を仕事だとは思っていなかったね 君は

そしてピエロが君に商談を持ち込む 地球を買わないかと
君は考えたあげく グリーランドより安ければねと答える
羊が近寄り君のドレスの裾を食べ始める でも羊は
君のドレスの中に気が付き 天井の窓から飛び出て空に逃げる
それでも君は 平然と村長や酋長や編集長や学長と抱擁を重ねる
羊が何を知ったかを気にも留めず 鏡に何が映っているかも知らずに

だが、執事のデイヴは知っていた 君がずっと顔を洗っていなかったことを
でも誰もそれを知らない ローマからカラスのチャーター便で仕入れた
君の化粧品がどんなブランドか そればかり気にしている
君は得意げに答える ミケランジェロほどではないけどカフカよりましよ

執事はその場で高速回転し シャンデリアがブレイクダンスをする
羊は手長猿に変身して戻り 君の顔をいじりだす 
君は微笑みながら 手長猿の腹にアイスピックを突き刺す

そう、誰も気が付かないうちに君は選ばなければならない
今すぐバスルームに行くか
それとも 今度は爪の垢を隠すためにペディキュアを買うのか
とっちなんだ? ミセス・ジョセフィン


霜柱が天まで伸びそうな ミシガンの凍った湖 スワンが剥製になっている
でも それはきっと君が時間を止めたからなんだ 少なくても僕には
そう 僕だってずっとこの時間を止めていたい 交通信号なんて必要ないんだ
君の吐く息が すぐダイヤモンドダストに変わる
それがきらりと光り ベアトゥリーの枝に絡む まるでカスミソウのように

さぁ、もう寒いから 暖炉のある隠れ家に入ろう みすぼらしい家だけどね
灯りは暖炉とキャンドルだけで充分だ 君の瞳が見えるだけでいい
知っているさ 君が1時間7ドルの仕事をしているってことを
スミスがひどい奴だってことも ブルースがスミスの目を盗んでタコスを食べていることも
でも 僕の腕の中ではもう安心だ そう僕だって

朝陽が君のまつげを照らすまで一緒にいよう 頬がぼそぼそになっているね
でもそのままでいい 気にはならない 気にすることもないさ
それがいつもの君ならば かまわない 君が君なんだから

やがて朝が来て 君はあわてて顔を洗い 手櫛で髪を整える
僕はトーストを焼きながらコーヒーをおとしている
君はトーストをくわえ 鏡を見て ストッキングに足を通す
そして車に飛び乗り 雪煙をあげて仕事に向かう
僕はガラス窓から君の車を目で追い  やがて消えていく 
凍えた空気の中に暖かい光が射し 僕は思わず頬を緩める

そんな退屈なシーンが手からキラリとこぼれるよね、レディ・フィーヴィー


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キツツキ櫓からずっと

キツツキ櫓から街をずっと眺めていたら
ジョセフィンが牛車の上でコノリーレザーのソファに座って演説を始めた
「私は民衆のために地下から野イチゴのムースを掘り当てて食べさせてあげるわよ」

牛車の前で聞いていた民衆は互いの顔を見合う
「民衆ってお前のことか?」隣の男は首を横に振る
ジョセフィンは続ける
「この世の中に可哀想な人はたくさんいるの、だから私は野イチゴのムースを探すのよ」

すると民衆の一部から歓声が上がる
「そうだ、野イチゴがなければ正しい世の中にはならない、金鉱ばかり探す奴は愚か者だ」
民衆は声の主を見やる、そして誰かが小さな声でつぶやく
「何だアホウドリ協同組合の理事か」
「オレは野イチゴより今晩食べるパンが欲しいんだがな」

いつしか牛車はダンプカーに変わり、荷台がチルドアップすると
ジョセフィンはソファのまま滑り落ち地面に叩きつけられる
解放された牛はジョセフィンを睨んで言う
「牛車に乗る時は、せめて馬の革のソファに座るべきだ、それが礼儀ってものだ」


キツツキ櫓から街をずっと眺めていたら
サラが人工交配野菜工場でできたかぼちゃを抱えて微笑んでいた
「この子はね、私の大事な子なの、わかる?誰でも子供は大事よね、それが心というもの」

アイザックは不思議そうな顔をしてサラに問う
「昨日そのかぼちゃは1個500サルだったが、今日はいくらだったんだ?」
サラは顔を緑色にして怒る
「あなたには心がないの?かぼちゃは私に抱かれるために生まれて来たのよ」

アイザックは困惑して雪像になってしまう
サラは美味しそうに雪を舐め、「かぼちゃをわからない人は食べられるべきなのよ」と言う
アイザックの親友のフレディが駆け付けサラに抗議をする
「君は心ってものをわかっていないな」
「君の心はカチカチ山裁判所で競売になっているものだ」

サラは涼しそうな顔で眉毛にドライヤーの風を送り、頬紅を着ける
フレディはサラに言う、「君は平等ってものもわかっていない」
サラはアップライトピアノを弾いて上目使いで言う
「平等はハーバード油田で取引されるもの、だからかぼちゃは私の大切な子なのよ」


キツツキ櫓から街をずっと眺めていたら
フランジー山に夕陽が沈み、キャプテンXOが自転車で空を飛んでいた
私は光の先で寂しさと哀しさと孤独とフォカッチャと1万サル紙幣をミキサーにかけている

そして私は言う
「君にこのジュースを飲む勇気はあるかい?」


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Dのブルース


カウンターチェアに腰を載せ 片足だけ床に付ける
酔いを肘で支え 頬杖 首を傾ける
最期に髭を剃ったのが いつなのかも忘れてしまった
折れそうな眼鏡 手垢と 涙の跡


hey,T.W. 君のピアノで Dのブルースを演ってくれ
帰る場所のない 男には 夜は深い
窓に赤く貼りついた やるせない女の吐息
横目で見やりながら 知らないふりをする


darin',darin',darin' G  俺の隣からいつ消えた
意味のない時間 それでも 今はただ
君の唇思い出すまで あと何杯飲めばいい
壁に染みついた夜 影と 煙草のにおい


崩れるように寝そべる 寒く湿ったひとりのベッド
自分を忘れるまで 右手には グラスワイン
肩に払っても消えない 安物の化粧の残り香
明日のことは知らない 君が 俺を知らないように






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by jhm-in-hakodate | 2014-04-27 23:13 | その他雑感 | Trackback | Comments(0)
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