甦った明治

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約1週間ほど前、大町にある旧松橋商店(明治35年築)の復元工事完了後の一般公開が行われ、訪れてみた。
上の写真を見るだけでは、出来上がってしまったものなので、どのような状態から復元されたのか分からないだろう。そこでたまたま撮った昨年6月の同じ建物の写真をご紹介しよう。

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これでおわかりかと思うが、すっぽりと「昭和の壁」で覆い隠されていたのだった。その壁を剥して復元したのわけだが、この写真は昨年私がシリーズとして掲載していた「函館古建築物地図」の調査時に撮影したものだが、その時点では明治の建物であるとは知らなかった。だが、全体の造りから大正以前の建物ではないかという気がしていた。それは屋根の高さからだった。昭和初期になるとこのような天井高をとる建物は少なくなっていたからだ。その後ある方から、この建物についての話を聞き、また、その方が内覧した際の内部の写真を拝見して、やはりと思ったと同時に、函館の奥の深さを改めて思い知った。

そして、利用者がいなければ解体もやむなしと所有者が考えていた頃、市内の有志たちが復元して再活用されるものにしようと立ち上がったのだった。


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土蔵入口のスペースはご覧のようなものとなっている。
一見一棟の建物に見えるこの建物、実は三棟の建物を「昭和の壁」で外側をつなぎ、一棟のようにして使っていたのだった。

このスペースから奥に向かうとこんな扉がある。

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そして、本来の建物と「昭和の壁」の間に作られた通路に向かう。

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写真右側の壁が元々の建物部分だ。そして二棟目と三棟目の建物の間のスペースが下の写真だ。

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そう、三棟目も蔵になっていたのだ。
しかし、先ほど本来の建物と述べた部分も、明治のものかと言ったら正直よくわからない。けっこう増築・改築を繰り返しているようにも見える。

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ともかく、時代の変化とともに、最初の建物を活かしながら姿形を変えている建物があったのだということが認識できた。昨年連載した「函館古建築物地図」で推定した古建築物も、一皮剥すとこのような建物になっているのではないかと思われるものが数多くあった。

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再び道路側の土蔵部分の写真を。

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なお、この復元工事を実行した方々は、この建物を店舗・事務所等として利用する方を募集している。



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by jhm-in-hakodate | 2014-11-22 23:41 | 函館の街並・建物 | Trackback | Comments(2)
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Commented by sy-f_ha-ys at 2014-11-23 19:59
jhmさま、お久しぶりです。
大町の旧松橋商店の修繕工事、遂に終了しましたか。
私も今年の6月、この建物の保存の切っ掛けを作った、Sさんの解説により内部を見学させていただきました。まだ改修の手が入る前の、埃っぽい状態でしたが(笑)。
jhmさまが仰る[昭和の壁]に覆われて全容が把握できませんでしたが、建物の雰囲気からそれなりに古い建物ではないかと、以前から私も推測していました。しかし明治半ば竣工の古い建物だと知り、本当に驚いた次第です。戦後の改修で竣工当時を留めない箇所もありましたが、玄関の鉄製の柱には感動しました。次回函館に行った時にはゆっくり見学してみたいです。
Commented by jhm-in-hakodate at 2014-11-23 22:17
sy-f_ha-ysさん、お久しぶりです。
当日はSさんともしばらく話しました。相変わらず古建築物への熱を感じさせてくれました(笑)
私も細かな部分をじっくり見たわけではないので、特に内部の、どの部分から昭和の修繕箇所なのかをじっくり観察することができませんでした。
実はEさんから1年ほど前に内部写真を見せてもらっていたので、今回の修繕工事がどれほど費用と手間をかけたかがわかりました。また、復元の設計をしていた富樫さんの図面を見て、これは大きな工事になるなというもの予想されていましたが、完成したものは見事と言っても褒め過ぎではないと思います。

でも、こういう建物は函館市内全体の氷山の一角なんでしょうね。探すとまだまだありそうな気がします。