難しいことから始めた方が結果的に早道だ

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私の経験上の話で恐縮ですが、物事を上達せるためには、まず簡単なことから始めましょうというタイプの勉強の仕方では決して目的は達することができないと思っております。

私の身近にある例ですが、周囲に宅地建物取引士の受験を毎年年中行事のように受けている人たちがいます。資格取得者としていつもアドバイスすることは、分厚い参考書を読破すること、それを追えてから問題集などで実戦訓練すること、ということを誰にでも判で押したように教えているのですが、そのアドバイスにも拘らず、手にする教材は、「漫画で勉強する宅建」などのような、とりあえず手を着けてみようかというレベルのものを読んで(それも試験が近くなってから)、帆編人は受験勉強した積りなのたろうが、たいていの場合不合格になってしまう。

どうして、そのような教材では合格率が低いのか。さの理由は大きく分けて二つある。
ひとつは、宅地建物取引士の試験の場合、様々な法律が登場してくる。それをきちんと法律別にその法律の主旨を理解せずにただ覚えようとすると、実際の試験はもちろんのこと実務でも判断がごちゃごちゃになってしまうのである。でも、法律こどに勉強すると、規制や基準の根拠を理解することができる。つまり、試験や業務で必要とされる知識を整理整頓できるわけだ。

言葉で言ってしまうとこのように簡単だが、法律文書を読むのには相当な修練が必要である。条文には「なにもこんなに面倒くさい表現をしなくて、もっとわかりやすい表記の仕方があるのではないか」と思えるものがいくつもある。だが、いいか悪いかは別として、現在でも法律文書はわざわざ面倒くさく書いてある。それを読み取り、その法律の主旨を理解すると、自分の頭の中での分類と整理ができるようになる。

例えば、函館の西部地区の建物の中で指定されているものに二種類の称号があるが、そのひとつの伝統的建造物は元々「文化財保護法」という文部科学省系列の法律によって指定されているものだ。だから、当初は伝建は教育委員会が管轄していた(現在はまちづくり景観課に業務が統合されているが)。それに対して「景観形成指定建築物」は国土交通省の系列の「景観法」に基づいて制定されているので、担当する函館市の部署は都市計画課関連となる(これもまちづくり景観課が担当している)

幼稚園と保育園。幼稚園は学校であるので文部科学省、保育園は厚生施設であるため厚生労働省が管轄する。

以上の例えの他、対比できるものはたくさんあるが、ともかくそれを把握するもの、初めに難しい勉強をするかどうかの本人の選択によって異なってくる。

決して、初心者だから簡単なことから始めましょう、という程度のものだけでは決して目標には達しない。例え初めはそこから入ったとしても、すぐに専門的知識の習得には物足りないし、整理もできないことに気付いた人はより難解な法律分署にチャレンジしてみようとトライするだろう。簡単なところから初めて、そのまま簡単なことしか続けない方には専門的知識は身につかないでしょう。結果的に、その世界で仕事を続けることができるかどうかは、もう既にこの勉強の時点で見えていることになる。

ある程度のレベルで仕事をこなしていくため、技術・知識を得るためには、「難しいことから始めた方が結果的に早道だ」というのが私が生きて来た上での結論です。
私はもう60歳になりますが、(この歳としては)難しいことにチャレンジしなければやりたいこともやれなくなることを知っています。
ですから、簡単な方を選ぶわけにはいかにないことがいくつもあります。

そう、万能な人間なんていないわけですから、何かを始めるためにはまた難しいことから始めなければならないのです。


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by jhm-in-hakodate | 2018-03-07 00:01 | その他雑感 | Trackback | Comments(0)