どうして駅前が中心街なのか(最終章)リノベーション

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はこだて工芸舎。

最初、せいぜい2~3回程度のシリーズで終えようとしたものが、結局11回も続いてしまった。基本的には、今まで本ブログで記したものの焼き直しに近いものだったが、市街地形成という観点でまとめてみると、そう簡単には終わることができなかったのが正直なところだ。

今まで述べたことは、より詳細な計画を立てるのは早急にやるべきであると考えているが、実施には10年ないし20年のスパンを持って、「急がず、だが、曲げず」やるべきであろうと思う。
現代は、昔のように大火で街が壊滅状態になっているわけでもないので、急ぐ必要はない。急げは市民の住環境に歪んだ影響を及ぼしかねない。

しかし、色々な課題があるにせよ、とりあえず市民が営みを続けることができているので感じないかもしれないが、ある意味では「大火」とまではいかなくても、あちこちから出火が頻発している状態にあるのかもしれないとも思う。それも、ボヤのような燻り方の火事だ。
そういう意味で、大火によって喪失した街並を復興させるような気構えが必要ではないのだろうか。

私は、函館が実施すべき都市計画は、街の「進化」でも何でもなく「復興」だと考えている。適切な言い方かどうかはわからないが、どうせ一地方都市なのだから、函館は函館らしく存在すべきであると思っている。これは個人的な感情ではない。これからの地方都市に必要なのは、まさしく「らしさ」なのだ。
その「らしさ」を具現化するためには、全国・全道的なチェーン店の進出を望むのであれば、実現は困難になる。

元来、海によって繁栄をもたされた函館には、育てる気風が貧弱だ。狩猟的ということだ。昔、漁師は魚の群れている場所を探して海を駆け巡った。一箇所でじっと何かを育てるという気風はなかった。それがそのまま市街地形成にも現れてしまったのが、ここ100年ほどの函館であると思う。
繁華街があちこちに移動し、住宅地もそれに伴って振り回されるように移動したのも、その気風のためではないのか。この件に関しては、また別の機会に詳しく述べたいと思っている。

これからは街を育てなければ、疲弊が益々加速するのは間違いない。街づくりや街興しという言葉は好きではない。どこか、対処治療法的な臭いを感じてしまうからだ。丁寧に耕し、肥料を与え、生育環境を整えて、しっかりと「育てて」いくことが最も必要となる。

これを、市街地形成・建築物という点に置き換えると、必要となるのがリノベーションである。もう、スクラップ&ビルドを前提とした発想ははるかに時代遅れである。資材調達の結果としての環境破壊や諸外国との軋轢などを生じさせるより、じっくり「街」を育てるべきなのだ。

面白い数字がある。欧米での不動産取引の中での中古住宅の取引の占める割合が70~80%台であるのに対して、日本は(確か)17%くらいしかない。欧米では、建物が古くなればなるほど価値が高くなることがあるが、日本はその逆である。
つまり私たちは、建物の「使い捨て」をずっと続けていたことになる。それは、街の使い捨てにもつながっている。その傾向が函館にも顕著に出ている。

そこで大切になるのがリノベーションである。建物のリノベーションは、外観はその良さを保って中は現代生活に適した仕様に変更するということもできる。いや、やらなければならない。この考えが浸透したら、街もリノベーションしようと自然の流れで考えるようになる。それは間違いない。
つまり、建物も街も育てようという意識になるはずだ、ということだ。

漁場を求めて移動していたら、いずれ函館は「そして誰もいなくなった」となるかもしれない。
農作物は、土地を耕し、種を植え、飼料や水をやり、毎日見回って、何ヶ月か何年かしてやっとその実がつく。根気が要る作業だ。だが、街を育てるにはそれしかない。
この度、都市計画マスタープランや中心市街地活性などの動きが立て続けにあったため、このようなシリーズを組んだが、きっとこれからも事あるごとに、また同じようなことを述べると思う、なぜなら、耕すべき畑の広さは充分ある過ぎるのに、農家が減少しているからだ。自分が耕すことのできる畑を持とう。そして、その畑から一級品の作物が採れるよう、努力していこう。自分が育てた畑が愛しくないわけがない。




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by jhm-in-hakodate | 2018-12-16 23:08 | 函館の現状について | Trackback | Comments(0)
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