予約しなければ店に入れない傾向について

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去年あたりから次第に強く感じてきたことですが、一般的な飲食店で、予約を入れなければ中に入れない傾向にありつつあるという、ちょっと困った事態に私は若干やりきれない思いをしています。

それが、高級レストランのコースであるとかであったらまだわかるのですが、それまで気楽に入店できていたお店に「予約」という優先席が設けられて、場合によっては入ることができなくなるというのは、世の中の傾向としてあまりいいものではないのではないかと思っている次第なのであります。
これは予約を受け入れるお店を非難しようという訳ではありません。私だって大人数で集まる時にはしっかり予約をして席を確保しますし、お店にとっても当然メリットがあるでしょうし、予約を拒否しなければならない理由もないでしょうから、予約を受け入れていると思います。
問題なのは、例えばカフェなどが予約でいっぱいになること。これはどうなのかな、と思ってしまうわけです。予約と言っても、さきほど私が言った大人数でのものではなく、二人だけで行くのに予約を入れることです。
私の考えが古いのかもしれませんが、カフェは予約して行くところではなく、ぶらっとその時の気分で行ける所だと思っておりました。今日の気分は濃いめの珈琲が飲めるところがいい、またある日はそのお店から見える風景を楽しみたい、ある時は最も本がじっくり読める所等々、その時の自分の欲する所に行くことがカフェなどの楽しみの一つであるのですが、行ってみたらたまた満席であったのなら仕方なく引き上げるものの、空席があるのに予約で入れませんというのは、ちょっと残念な気がします。

昨年札幌のある料理店で、この予約に絡むことでけっこう不快な思いをしたことがあります。
そのお店は美味しい料理をが目白押しで、札幌に行く度によくぶらっと行っていたのですが、昨年知人に美味しい店があるから行きましょうと誘って、その料理店に連れて行きました。まだ時間的に早かったせいもあり空席も多くはないにしろ、私たち二人が席に着いてもまだそれなりに空席がある状態でした。ところが席に着くなり、店員がやって来て、「予約でしょうか?」という問いかけをされました。「いいえ」と答えると、その店員が話した正確な言葉は覚えていませんが。要約すると、「この先予約客が来る予定で、そちらを優先したいから、予約客が来たら帰ってくれ」という内容のものでした。もちろん、こんな露骨な表現はしませんでしたが、意味はその通りでした。
私も知人も少し不快な思いをしながら結局の所、そのお店で食べて飲んだのでしたが、店を出た後二人とも、ああいう言い方は気分のいいものではないという共通の感情を確認しました。たぶん私はもうそのお店には行かないと思います。そのお店にとっては、予約をして来てくれるお客さんが「いい客」で、ぶらっと来る客は「どうでもいい客」というような認識を持っているように感じたからです。

この札幌のお店は対応が不快に思えたので、もう行かないと心に決めたのですが、そもそもどうして世の中、こんなに予約をしてしまう風潮にあるのでしょうか?
せっかく行ったのに満席であれば嫌だから予約して行く、ということもあるかもしれません。あるいは、どうしてもそのお店をキープしたいということもあるかもしれません。例えば男女のデートで絶対外せないとか(笑)色々な理由があるのかもしれませんが、私のような気分によって店を選ぶ人間にとって、予約をしなければ入れない店は、次第にリストから外れて行ってしまうのです。
カフェなどのお店は、行ってみたらたまたま満員だったら仕方ない。違うお店を探して入ってみよう。でもそうすることによって、今まであまり気にも留めていなかったお店がけっこういい雰囲気を持っていたりとか、面白いメニューを取り揃えていたりとかという発見ができるかもしれない。そんな偶然に出会えるかもしれない。それもまた楽しいことのひとつです。
今の若い方々はそんなおおらかさがないのかな、とも思ってしまう訳であります。
ともかく、この傾向が続き、多くのカフェが予約がなければ入れなくなるようでしたら、私はコンビニの100円珈琲を買って車で飲むようになるでしょう。

色々書きましたが、ここで最も言いたいのは、簡単に予約してしまう今の文化って、世の中を面白くなくする方向にしてしまっているのではないかということでした。
まぁ、行列ができる料理店には絶対行かない私が言うことですから、少数派なのかもしれませんが・・・・。



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by jhm-in-hakodate | 2019-01-07 00:26 | その他雑感 | Trackback | Comments(2)
Commented by よっしー at 2019-01-07 12:22 x
jhmさんあけましておめでとうございます。
今年こそはどこかで一杯飲みましょう。

さて、飲食店の予約についてですが、趣旨には概ね同意です。

一方で、少し飲食店の経営側の人たちと付き合いがあるので事情の一部をお伝えするとすれば、どのお店も、個人のお店になればなるほど「省力」営業の傾向があります。

食材の余裕や人材の余裕が乏しい傾向があるので、予約を推奨しているケースがあります。混む日と混まない日の差が激しかったりするとそうなる場合が多いです。廃棄が多くなるとそれだけ損失になってしまうこともあり……

コレも不景気だからなのか、少子高齢化社会の一端なのか……至極残念ですよね。
Commented by jhm-in-hakodate at 2019-01-09 14:50
よっしーさん、あけましておめでとうございます!ぜひ飲みに行きましょ(笑)
お店の経営的なこと、充分理解できます。食材の効率的な仕入れも、死活問題ですからね。でも、初めて行くお店はやはり予約せずにフリーで行くケースが多いですよね。まして旅先などでは、よほど関心を持った所でなければ予約しない場合がほとんどだと思います。
そういう間口が狭まることは、流れとしてあまり良くないと考えるわけです。あくまで客としての立場ですが、予約でいっぱいで入らないお店は自然と足が遠退いてしまいますし。
難しいところですよね。