レオパレス21、どういう体質なのだろうか

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先日、建築基準法違反で大きな社会問題化したレオパレス21。
賃貸アパート経営市場がバブル時代から安定的に推移した中で規模を拡大し続けた企業だ。バブルの頃は、賃貸アパートはどんなものでも建てたら売れるという時代だった。不動産を売却して得た大きな利益で賃貸物件を購入し、節税対策と賃料収入を得ようとしている者にとっては「美味しい不動産」であった。その頃増収増益で業務拡大した不動産会社のいくつかは株式公開で更なる資金を集めようとしていた。しかし、どこの誰なのかはわからないが、違反としては大きな被害にもならないような微小な宅地建物取引業法違反で摘発され、いくつも会社がその道を絶たされたのだった。だが、レオパレス21(当時の社名は株式会社ミヤマ)は業界内の足の引っ張り合いをかいくぐって店頭公開・上場を果たした。

正直言って、昔はそれほどレオパレス21のイメージは悪くなかった。経営持続が難しい単身者向けアパートの分野で業績を残していることは、それなりのノウハウを持っているのだろうと思っていた。上場したことにより、社会的責任も大きくなり、それなりの品質のものを提供しているとばかり思っていた。ところが、この度の問題で、レオパレスお前もか、という残念な思いとともに、10年以上前に私自身が経験したレオパレス21の営業マンとのやりとりを思い出した。

その頃私は不動産会社に勤めており、転勤で苫小牧で仕事をしていた。不動産仲介が主の仕事であり、そのためいくつもの土地や建物の売却依頼物件を持っていた。この売物件を持つということが大切で、これがなければ商売にならないため、不動産所有者との関係も良好に保つことも大切な仕事の一つであった。
そんな中、ある日の午前突然(確か土曜日だったと思うが)レオパレス21の営業マンから会社に電話がかかって来た。売り土地に対する問い合わせだった。その土地の担当は私であったため電話を替わり話を聞いてみると、東京から投資物件用地(この場合投資アパート建築用地)として私が担当している土地が買い希望者の目に留まり関心を持っている。そこで明日その人が苫小牧に行くので、現地を見て気に入ったらその場で契約したいとの話だった。
私はこの話に驚いた。簡単に契約と言うが、賃貸物件の契約とは異なり、売買物件の契約は重要事項説明にも詳細で繊細に作り上げなければならない項目多々あり、そんなに簡単にできるものではない。また、土地を見て気に入ったからと言っても、その場で売主に連絡し、今すぐ契約があるから事務所に来てくださいなんて、あまりにも失礼で、そんな要請もできない。あるいは、契約があるかもしれないからずっと自宅で待機してくださいなんてとても言えない。まで本当に買うかどうかもわからないのに、そんな約束なんてとてもできるものではない。
そのような理由で、私はレオパレス21の営業マンに対して、不可能ですと答えた。相手は仕事にならないのが面白くないようで、めんどくせーなみたいな声で渋々電話を切ったが、今度は午後、確か夕方だった記憶しているが、今度は、お客さんがその後検討し、間違いなく買うので契約の準備をしてほしいという内容だった。それも高圧的な口調での話だった。

私は一瞬それでは準備をという気持ちにもなったが、すぐに冷静に脳内を切替え、まだ現地を見てもいない人の話で売主さんにきちんとした話として伝えられることができない、ということと、現実的に重要事項説明書と契約書をたったの1日で問題のないように作成できないというさきほどと同じ理由で断った。東京の人から見ると苫小牧の低価格の土地は、もし投資物件として失敗に終わったとしても大した損額ではないと思うのであろう。だから、図面上・ネット上だけで決めてもいいと考えたのかもしれない。レオパレス21の営業マンも、1日しか時間の取れないお客さんにできるだけのお膳立てしておき、アパートを建ててもらい営業成績にしたいという思惑もあったのだろう。その気持ちは同じ営業ょやっている人間としてわからないわけではないが、あまりにも無茶でいい加減で相手に対する配慮がない、とてではないが受け容れられ話ではなかった。もし、そのような話をするなら、遅くても1週間前に問い合わせがあってもいいものではないか。それならまだ話としてできないわけでもない。準備もできないこともない。しかし、話が来たのは前日だ。とても東証1部上場企業の社員がやる仕事ではないと思えた。

結局、この話を私の段階で断り、売主に伝えることはなかったが、それから少ししてから、別の普通に現地を見た方から気に入ったと申し込みをいただき、普通にちゃんとした段取りのもとでちゃんとした契約をすることができた。レオパレス21の話を受け容れたとして、結果どうなっていたかはわからないが、少なくとも売主さんには後からの普通の段取りでの契約で、無理のないきちんとした売買が成立できたと思った。自分の立場は、売主・買主の中間に立ち、どちらか一方だけが優遇される契約を阻止することも大切な仕事のひとつだ。多くの「きちんとした」不動産仲介業者は同じようなことをやると思う。そんなことはレオパレス21の営業マンもわかっていてもおかしくないはずなのだが、地方都市の安い物件だから何とでもなるだろうとたかをくくっていたのだろうか?
その理由はわからないが、その時、あぁ、レオパレス21の社員の体質とお客さんの体質はこんなものなんだと思った。そして、今回の問題。こういう体質の会社では営業利益を優先したら、今回の違反もあり得るだろうなと思った。

優れた仕事をする人は、きちんとした相互理解と段取りをしっかり取り、話を進めて行くものだ。それは大都市だから地方都市だからといっても変わらないものだ。仕事柄色々な会社の社員と接することがあったが、少なくとも上場企業の社員で、このような無理難題と押しつけ的な話の進め方をしようとしたのはレオパレス21だけだった。不動産の仲介は、土地というひとつの商品の売買と考えている人も多いと思うが、最終的には人と人との交渉が最も大切なものなのだ。決して工場で製造されるものとは全く違う。どんなに優れた物件があって、それを買いたいと申し込んできた人間が、売主がこの人は嫌だと言えば契約は成立しない。
そう、人と人とをスムーズに結びつけるのが不動産仲介業の最も大切な仕事なのだ。





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by jhm-in-hakodate | 2019-02-27 10:55 | 社会・経済について | Trackback | Comments(0)
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