ジュークボックスおじさん

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これを見なければ、いゃ、乱入しなければ夏が来ないという気持ちにまでなった毎年恒例の「はこだて国際民俗芸術祭」に、毎年ほぼ定位置に陣取っているのがジュークボックスおじさんだ。

芸術祭に行ったことのない人(行ったことがある人は知らないわけがない)のために簡単にご説明いたしましょう。
まず、普段は写真中央の蓋が閉じており、おじさんはこのボックスの中に密かに身を隠している。ところが、誰かが200円を投入口から入れると、蓋がカパッと開いておじさんが顔を出す。そして、お金を入れた人にリクエスト曲を(と言っても何でもできるわけではなさそうだが、そのために可能演目が記されている)演奏し始めるというシンプルな仕組みになっている。
でも、このジュークボックスおじさんの凄いところは、必ず満面の笑みで出現すること。
そうか、そりゃそうだよね、人々を楽しませるためにやっているのだからくそまじめな顔をして登場してもつまらない。これだけで食べているのかどうかはわからないがねまさしくプロとして自分の役目を見事に演じている。

それほど面白いパフォーマンスなのだが、会場内全体で行われている演奏・踊りなどに比べたらかなり地味だ。
でも、もし何かの理由でこのジュークボックスおじさんが芸術祭に参加しなくなったら、何かこの芸術祭の大きな歯車を失ったように感じるだろう。
普段いつものようにそこに存在して、まるで空気のような位置関係にあるものは、その存在が続いている時はあまり何も感じないだろうが、失った時の失意は大きい。

人ってそんなものだ。当たり前のよう存在しているものには目もくれず、それを失った時に初めて、その存在の大きさを知る。
そうならないように、来年ジュークボックスおじさんがいたら200円を払い、演目にあろうがなかろうが、「サマータイム」をリクエストしよう。



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by jhm-in-hakodate | 2019-09-16 00:15 | 函館で出会ったもの | Trackback | Comments(0)