2013年 06月 27日 ( 2 )

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元町・大三坂のカトリック教会下隣に「旧亀井邸」がある。これは名建築士である関根要太郎が設計した秀作の建物のひとつであり、彼の残り少ない函館に現存する作品だ。伝統的建造物にも指定されている。

この建物がちょうど3年前の6月に大修繕工事を行った。大正時代の建物だけあって、工事は外壁・屋根などの全面張替という大がかりなものだった。外壁も中の木材から張り直していた。だが、その工事を見た私は危惧を覚えた。新たに張った板は、含水率が高いように思えた。

そのことを本ブログで指摘した。⇒ 元町の不思議と行政

木材の含水率が高いとどうなるか。木材は水分が蒸発、つまり木材内部から水分が無くなる時変形する。よく新築して何年も経っていないのに扉の開閉に支障をきたしたという話を聞くが、それは主に含水率の高い木材を使用したことに起因することが多い。

では、旧亀井邸はどうなったのだろうか。決して喜ばしくない結果が建物に現れていた。改修してたった3年で外壁のあちこちに亀裂が入っていたのだ。

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これでもかというほどお見せしたが、それくらいあちこちに亀裂が入っていたのだ。少しくらいなら、まぁ、木造だから仕方ないかと言えるのだが、ここまでひどいと、いかに業者が安上がりに仕上げたかがよくわかる。塗装もおそらく水性の安価なものを使用したのだろう、もうあちこちはげている。

本当にこれでいいのだろうか。一般の民家であればとやかく言ったりしない。この建物は、いくら個人所有とはいえ、伝統的建造物に指定されているのだし、観光スポット・大三坂に面している貴重な建物だ。恐らく修繕に際して補助金も出ただろう。その結果がご覧のとおりである。

市も、修繕に対しての技術基準を設けた方がいいのではないかと思う。この建物、次の修繕までは、ひびだらけの家として観光客に見られてしまう。哀しいことだ。





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大町5番は、弥生坂と常盤坂、大黒通りとバス通りに挟まれた区域である。ここには古建築物がけっこう残っている。それも、一部を除いては、いかにも大正から昭和初期に見られるような和洋折衷の一般庶民版とでもいうような典型的な建物だ。

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次の建物を除いて、概して昔は商店などの店舗兼住宅だっただろうと思われるものが多い。

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それは大黒通りに顕著にみられる。

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この大黒通りで、ある年配の男性と話した。彼によると、近年、市の西部地区移住の家賃補助政策によって、普通の賃貸物件に入居できない人が、この近辺に引っ越してきて、治安が少し悪くなってきているそうだ。
「昔から住んでいる人は、互いに気を配りながら楽しく暮らしていたんだけどね」と、彼は言った。「自分もあと何年かしたら、家を解体してどこかに引っ越そうかと思っている」

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函館市民は、西部地区の街と建物を捨てて行っただけではなく、地域のコミュニケーションという人情と、互いを信じ安心して暮らせる風情まで捨てて行ったのだろうか?
昨年開催された「ハコダテトリエンナーレ」に来場した方と話すと、「昔住んでいたこの西部地区が懐かしくて来た。やっぱりいい街だよね」と言った方がけっこういた。だが、その良さを知っている人が棲まないと、西部地区も変わってしまうだろう。

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(撮影日:2013年6月5日)




このシリーズでご紹介する建物は以下の基準で選択・掲載しています。

1.新築年は戦前以前と思われるものとします。ただし、全てを調査するのは困難ですので、基本的には建築様式などで筆者が主観的に判断します。実際の建築年と異なっていたとしても一切の責任は負いません。
2.外壁・屋根などが現代のものに改装されていても、建築様式が前記に当てはまると判断した建物は掲載します。ただし、外観に建築当時の痕跡が無く、明らかに現代のものに改装されているものは除きます。
3.基本的には1棟1枚の写真としますが、建物の規模が大きい場合には2枚掲載する場合があります。また、長屋などはまとめて何戸かの写真を掲載する場合があります。
4.ご覧になった方に先入観を持っていただきたくないため、その建物の肩書(景観形成指定建築物、伝統的建築物、あるいは建物にまつわる物語など)は一切添付いたしません。どうかあなたの感性だけでご覧になってください。
5.写真の過度な編集は行わず、実物に近い状態の写真を掲載します。ただし、筆者の感性でモノクロにした方がいいと判断した場合は、自分に従います。
6.基本的には○○町○番を一括りとして掲載します。枝番(○号)までは掲載しませんので、気なった方は地図を片手に現地を歩いてみてください。
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