<   2019年 09月 ( 12 )   > この月の画像一覧

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この写真は約6年前に撮影されたものだ。
もちろんこの頃はまだ和光デパートがあり、ボーニ森屋も普通に営業されていた。きれいにめかしこんだおばあちゃんが「お出かけ」でボーニ森屋に入って行くのを度々見ることができた。
でも、夜になるとこの辺りは閑散となり、繁華街という言葉とはかけ離れた街になっていた。
現在は、和光もキラリス函館という施設に変わり、ボーニは閉店し静かに解体される時を待っている。
ところが、夜は6年前とは大きく変わって来ている。

それを感じ始めたのは今年の春あたりからだった。たくさんの観光客が夜の大門を歩いている場面を数多く見かけ始めたのだった。その兆候はたぶん去年あたりから始まっていたのかもしれないが、より顕著に感じたのは今年になってからだった。
北海道新幹線開業直後の時も今のような賑わいはなかった。きっと観光客の方々は夕食をサッと済ませてずっとホテルおとなしくしているのだろうな。せいぜいコンビニくらいは多少売り上げが向上した程度ではないか。そんな雰囲気に私は見えた。つまり、昼の観光が終われば、地方にあるような温泉旅館に泊まったように宿泊施設に閉じ籠って(せいぜい出かけるとしても夜景を見に行く程度か?)次の日に備える、そんな観光客が多かったのではないかと思えていた。

ところが今年は、夜も函館を楽しもうという雰囲気を感じる。もちろん地元市民もそれなりに歩いてはいると思うが、ともかく、大門を歩いている人の数は、ひょっとしたらほぼ地元市民しか行かない本町よりも多いのではないかと思える(もちろん感覚としてだが)
いずれにしても、観光客の方々が「函館を観光」するというより「函館で遊び楽しむ」という傾向に変わってきたのではないかと想像できる。そうです。函館は観光スポットだけでは済まない味のある魅力がいっぱいあるのです。
そう言えば、西洋系の外国人の観光客も増えているようなことも聞きます。とてもいい傾向だと思う。
知人のある人が「仕事の関係で全国各地を旅したが、函館はここしかない独特のものを持っている」という話をしてくれた。ということは、世界から日本に来た方々にとっても函館は独特の魅力を持っていると感じてくれるだろう。

跡は、私たち市民がその魅力を失わないように、函館の面白さをキープし、また、新たな楽しみを与えることができるよう努めなければならない。
きちんと守るべきものは守り、刷新すべきものは大胆に実行し、せっかく視野が広がった観光客の方々の期待を裏切らないように努めなければならない。
このいい中瀬れを停めてはならない。




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これを見なければ、いゃ、乱入しなければ夏が来ないという気持ちにまでなった毎年恒例の「はこだて国際民俗芸術祭」に、毎年ほぼ定位置に陣取っているのがジュークボックスおじさんだ。

芸術祭に行ったことのない人(行ったことがある人は知らないわけがない)のために簡単にご説明いたしましょう。
まず、普段は写真中央の蓋が閉じており、おじさんはこのボックスの中に密かに身を隠している。ところが、誰かが200円を投入口から入れると、蓋がカパッと開いておじさんが顔を出す。そして、お金を入れた人にリクエスト曲を(と言っても何でもできるわけではなさそうだが、そのために可能演目が記されている)演奏し始めるというシンプルな仕組みになっている。
でも、このジュークボックスおじさんの凄いところは、必ず満面の笑みで出現すること。
そうか、そりゃそうだよね、人々を楽しませるためにやっているのだからくそまじめな顔をして登場してもつまらない。これだけで食べているのかどうかはわからないがねまさしくプロとして自分の役目を見事に演じている。

それほど面白いパフォーマンスなのだが、会場内全体で行われている演奏・踊りなどに比べたらかなり地味だ。
でも、もし何かの理由でこのジュークボックスおじさんが芸術祭に参加しなくなったら、何かこの芸術祭の大きな歯車を失ったように感じるだろう。
普段いつものようにそこに存在して、まるで空気のような位置関係にあるものは、その存在が続いている時はあまり何も感じないだろうが、失った時の失意は大きい。

人ってそんなものだ。当たり前のよう存在しているものには目もくれず、それを失った時に初めて、その存在の大きさを知る。
そうならないように、来年ジュークボックスおじさんがいたら200円を払い、演目にあろうがなかろうが、「サマータイム」をリクエストしよう。



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ふと気付くと、私が函館に戻ってから今月で10年になっていた。
10年、この間に色々なことがあった。そして確実に歳をとった。シンプルに言えばそれだけで済んでしまう。
ただ、写真だけはどんな時も撮り続けていた。
上と下の3枚の写真は10年前の春の写真だ。この時はまだ函館に引っ越していなかった。

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この当時はフィルムカメラで撮っていた。フィルムのISOの選択も何もわからず、また、カメラの操作もほとんどわからないままに撮っていた。
そして、約半年近く経ち函館市民となった秋に撮った写真。

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そう、これはこのブログのプロフィール用の写真だ。今、この建物は新しい所有者が中を改造するのか、ゆっくりと工事が行われているようだ。

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ほんの半年だが、少しだけフィルムの選び方などがわかり、春よりはましな写真となっている。
そして、春の写真の4枚目とほぼ同じ構図の写真。

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何が違うかすぐわかった方も多いだろう。秋のこの写真にはゴライアスクレーンがなくなっていた。
たった半年でこれだけ変わるのだから、10年も経つとたくさんのことが変わってしまうのは仕方のないことなのだろう。
この10年間のことについては、このブログを開設した来年1月あたりに「10周年記念」みたいなほぼ自己満足的な企画で話してみたいと思う。

そう、10年前は開港150周年で盛り上がっていた。その時のパワーを、今私は必要としている。





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今年の夏の函館はちょっと面白くなってきた。
先日のバルも大盛況だったようだし、そのようなイベントがなくても、観光客の方々が西部地区をくまなく見てみようという行動に変化しているようだ。
いつものイタリアンで店主さんと話したが、今年は明らかに観光客とわかるお客様がけっこうふえたそうだ。そのお店は主に常連客が入れ代わり立ち代わり訪れる、人気があるお店なのだが、今年は客層に変化があったという。いつも地元民で賑わっていたお店に、まだポツリポツリだが、白人のお客様も少しだけ増えていたようだ。
そして、今までであれば、観光を終え、ホテルに帰るために使用うする電停は、最もどつく寄りで末広町から乗るのがほとんどだったが、今年はその一つ先の大町で電車に乗る「観光客と思われる人」が、まだ数は多くないが、それまでのほとんどゼロから何人か乗車するという傾向が見えた。
また、夜に末広町方面から大町方面に歩いている観光客らしき若者も多くなったように見える。

つまり、定番のベイエリアや元町や函館山だけではないものを、函館に求める方々が増えて来ているかもしれないということだ。先日の幸坂でご紹介したように、だんだん普通の観光ルートを巡って、次に来た時はもっとディープな函館を楽しみたいという観光客が増えたのかもしれない
もし、それが本当ならば。函館はもっと面白くなるだろう。なぜなら、観光スポット以外にも函館の良さを現している場所がたくさんあるからだ。それを定番観光コースを回っても、たぶん一度行けばもう充分という楽しみ方から、函館という町を楽しみたいという観光客が増えたのかな、というあらわれなのではないか。

これは函館にとってはとても重大な転機となる前兆なのか?
まだ結論づけたりするのは、時期が早いかもしれないが、それでもたぶん函館は面白くなって来ているのだろう!




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この写真、元町のシェアーズヒシイで撮ったものですが、仕上がりが、今札幌の道立近代美術館で展示会が開催されているカラヴァッジョの絵のようになりました。
この夜隣で飲んでいた知人が、「今見た風景がいいなと思って、カメラのシャッターを押すんですが、写ったのは自分が見たものとは全然違ってがっかりすることがけっこうある」と話していました。

こういう話は彼だけではなく、色々な人から聞きます。それはなぜか?
様々な要素があると思いますが、こういう話に対して私が常にお答えしているのが、「人間の視界は広い。きちんと見えているかどうかは別にして、視覚情報は180度近くまでに及ぶために、その全体の視野の中でいいなと思えても、ファインダーという限られた視野で同じものを見ても全然素敵だとも美しいとも感じなくなくなる時があります。だから、いいなと思ったら、まずファインダーを覗いてみることです。その限られた視野の中でいいものが見つけることができたら、初めてシャッターを押すんです」
と、まぁ、偉そうに話すわけですが、実際私も同じような経験を嫌というほど重ねてきました。今では、いいなと思ってファイダーを覗いても、しっくりする構図が定まらなければシャッターを押さずに、カメラを下ろすようにしています。でも、どうしても撮りたい被写体がある時は、構図が決まるまでファインダーから眼を離さず、焦点を変えたり、ズーミングを変えたり、自分の立ち位置を変えたり、色々なことを試して納得できる構図になったらやっとシャッターを押します。それまではずっとファインダーから眼を離したりすることはありません。

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今ではスマホで簡単に写真を撮れたりしますので、わざわざカメラを買わない方が増えているようですが、スマホしか写真を撮っていなかった人は、(ファインダー付の)カメラを持つと、どこを撮ったらいいのかわからなくなってしまう人もいます。その理由は、やはり視野の違いです。そのため構図を作るのにものすごく困ってしまうようです。それはコンデジのファインダーなしタイプのカメラも同じです。
しかし、ファインダーを覗いて写真を撮る習慣がある人にとっては、液晶画面のモニターに映る画像を見て構図を決めることはそれほど困難ではありません。

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まぁ、こんな講釈をたれても、酔っ払ってしまえば、あとはカメラの性能任せで、えぇいと撮ってしまうことがほとんどですから、あまり説得力がないはなしではありますが、テキトーに撮ってもそれなりの画像の写真になってくれるのは、やはりそれなりのカメラとレンズで撮っているからでしょう。決して技術ではありません。
という、結論がありそうで結局なさそうな、特に酒を飲んでから写真を撮る場合においては参考にならない話となってしまいました。





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なぜ大町と弥生町の建物なんだというと、単なる偶然としか言えないのですが、実はこの2つの町、もっと注目されてもいいのではないかと密かに思っているのは確かです。
大町は江戸時代から既にあった町名で、何となく日本古来からありそうだという言葉の響きがあるし、弥生町もまたその響きがいい。そして、よく見ると函館の隆盛と衰退が同時に存在している町でもあり、もっと何かをすればいい街になるのではないかと考えてしまうのです。

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今回は画像が少ないですが、またぶらぶらしながらいつまでも撮り続けてその魅力をお伝えしたいと思います。




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姿見坂。
通説では、この坂の坂上に遊郭があり、遊んで坂を下る時、何度も遊郭の女性の姿を振り返り見たことに名の由来があるとされている。その名前自体とても趣深く情緒あるものだと思うが、姿見坂と呼ばれるようになったのはいつの頃からなのか、そもそも明治初期の地図を見ると他の坂と同様に、この坂も1本で繋がっていたわけではない。
だから、遊郭で遊んだ男たちがこの坂のどのあたりで振り返り女性を見たのか、今となっては想像もできない。
函館の歴史書を丹念に調べたら、その答がどこかにあるのかもしれないが、今はそこまで調べる時間とパワーがないため、坂上を眺めながら自分ながらに想像するしかない。

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これはバス通りあたりから下を撮影したものだが、今では上も下も生活感(と言っても、もちろん独特の雰囲気はあるが)がある西部地区では普通の坂に見える坂のひとつだ。しかし、この坂の住民は面白いことをする。写真右に写っているのが姫リンゴの樹だ。これは、ある時すぐ近くに住んでいた人がたまたま植えてここまで成長したものだ。いちおう、歩道内であり私有地ではないのだが、西部地区、特に基坂から入舟・船見町方面の住民は、このようなスペースを自分専用の小さな庭に見立てて花を植えたり樹を植えたりしている。でも、それが結果的に変に統一感のない、雑多な趣向の集合体として坂道を形成している。
さて、姫リンゴの生育具合は、

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熟している実もあるよで、これからわずかな間、姿見坂のバス通り付近は実りの秋の表情を見せるだろう。ちなみに、熟した姫リンゴを試食してみたことがあるが、正直言って決して美味しいとは言えないものだった。どちらかというとカラスが好んで食べているようだ。
それでも、実がなる樹がそこにあり、四季を感じることができるのは素晴らしいことだと思う。それも行政主導で行うのではなく、地元民がこれを植えたら街がもう少しきれいになるのでは、という思いが詰まっているからなおさらだ。

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今では新築住宅も増え、昔の名残を残すものは数少なくなってしまったが、それでも坂が持っている背景の懐の深さがあるから、現在でもどことなく昔の生活感をかろうじて感じさせるる

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この姿見坂に面して私の実家がある。今年で築83年の建物だ。これを最低100年まで使いたいと願っている。
実家の竣工当時は芸者の置屋だった。そう、ただ古いだけではないのだ。そこにはきちんとそれぞれの建物の歴史と物語がある。ガイドブックには決して載らないだろう、戦前のこの街周辺を無言で語る場所だ。

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こんな広くもなく、元町のような大きな邸宅もないこの坂には、庶民のいろいろな物語が語られずに道端でちゃんと正座をして私たちを観ている。




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今回は特別のコメントは残しません。

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常盤公園は旧常盤小学校跡地である。函館の歴史の中に学校としての「常盤」という名が出て来たのは明治11年だ。
「公立常盤学校」これがおそらく常盤小学校の前身と思われる。最初からこの場所にあったかどうか、古地図等を調べるとわかるだろうが、今はそれを問わずにおこう。

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もちろんここが公園だということはだいぶ前からわかっていた。だが、地元民の私からするとここはひとつの日常に過ぎなかった。だからあえて常盤公園に行こうなどとは、普段は思わなかった。

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しかし、改めてゆっくりとこの公園を歩いてみると、その凄さがわかった。

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上はどっく方面を見下ろした写真。下は函館駅方面を見下ろした写真。
眺望がとても素晴らしいのだ。こんな眺望は元町方面にはない。函館がなぜ函館なのか、開港から長年多くの船が出入する光景を、ずっと証人のように見続けて来たこの場所はそれをよく知っているような気がした。

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特別な施設がある公園ではない。せいぜいベンチと水飲み場とトイレくらいしかない。でもそれで十分だ。

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なぜなら、おそらく函館で1,2を争うであろう眺望がそこにあるからだ。
その眺望を、もう少し広角で見てみよう。

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常盤公園にあるナナカマドの実は、もうすぐ熟そうとしていた。
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※追記 読者様のご指摘があり、この公園は正しくは船見公園であったことがわかりました。ずっと今まで常盤公園と信じて疑わず、また、調べもせずにいたことを反省いたします。でも、船見公園よりも常盤公園という名の方が響きがいいし、常盤小学校があった場所なのだからそう呼んでもいいのではないかと思っています。間違えてしまったことに対して意地になっているわけではなく(笑)例えば正式名称が函館漁港でも、やっぱり入舟漁港という方がしっくりくるのと同じ理由から、私は勝手にこの公園を常盤公園と呼びたいと思います。
ご指摘いただいた読者様、ありがとうございました。



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私が最も好きな坂のうちのひとつが幸坂だ。
この坂の延長距離が長いせいもあって、イコール高い位置まで道が続いているため、坂上から見下ろす風景は八幡坂の比ではない。ご覧の通り、絶景と呼んでも大袈裟ではないと私は思っている。ここまで道が続いている理由のうちのひとつは、坂を上った最後にあるのが山上大神宮があるからではないかと思うが、もし大神宮がなかったとしても、明治時代の人々はここまで、あるいはその上まで住宅を構えていたのかもしれないと思う。

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山上大神宮

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冒頭の写真を撮った所から少し下って行くと、なぜか携帯電話が普及した今でも残っている公衆電話ボックスがある。何年か前まで、このボックスの手前に周りの風景をすっぽり隠してしまうような大樹があった。その樹の樹齢や、過去の写真でどのような風情を醸し出していたかはわからないが、道路工事の際に伐採された時、幸坂のシンボルマークが消えたようで残念だった。

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大樹跡を少し下った所にあるこの建物群の中の長屋部分は「第2回函館トリエンナーレ」で使用させてもらったものだ。函館に戻って来た頃、函館で行われている芸術的活動に関わりたいと実行委員会に加えていただいたが、この手のイベントを開催することに関して、クリアしなければならないことがあまりにも多すぎることで多くを学んだ。建物がほぼその時のままに残っているのが嬉しい。

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もう少し下ると、女性一人で、土曜日曜限定で焼き菓子を製造販売していた「おやつ工房」があった長屋がある。今は移転し空家となっているが、そう、函館でのスタートはだいぶ昔でも今でも長屋から始まることが多い。
その長屋の建物の一角にこんなものが。

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この辺りは昔天神町と呼ばれていた地域で、今でもこの周囲にはその名残がたくさん残っている。

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幸坂に限らず、この辺りの坂には未だに、昔の雨水や生活雑排水の排水のための素掘り側溝が存在する。子供の頃、みんなドブと呼んでいた。とにかく臭いというものは決していいものではなかった。でも、それがその当時の日常生活のシーンだった。

実はこの後、幸坂を下り、大黒通りを大町方面に向かい、隣の坂である姿見坂を上り、再び幸坂上まで戻って来たのだが、ちっょと驚いたことがあった。

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今迄ではごく稀にしか訪れることのなかった中国系の観光客が、レンタカーを使用して幸坂の坂上まで上って来て、坂上からの風景をそれなりに長時間見ていたのだった。私の自分勝手なイメージでは、まさかわざわざここまで来るとは想像もできなかった。きっとお決まりの函館観光コースを巡るだとばかり思っていたが、それなりに旅に慣れた人々は、お決まりの所に訪れるだけでは満足できなくなったのだろう。そしてここが素晴らしい坂上からの風景を見せてくれる場所だということを何かで知ったのだろう。中国系刊行者は私が一休みしていた間に3組訪れ。日本人と思われる観光客が2組訪れていた。

こんなことは今までなかった。ひょっとして、この幸坂からの風景の素晴らしさを知っているのは、地元住民よりも観光客の方が多いのでは、と思ってしまう。
坂を上るのがめんどうくさいだとか、たぶんそんな理由で、幸坂から見下ろす風景がこんなにも素晴らしいとは思っていないのだろう。

そう、いつも言われていることだが、函館の良さを函館市民はよく知らないだけなのだ。それよりもゴシップ的な話に耳を傾け、今日食べる食事を考えるためにネットをあさって探すことくらいしか興味がない市民が大多数を占めているのではないかと思っている。
そんな函館市民よりも、函館の良さを知っているのは日本人観光客はもちろんのこと、中国系観光客の方なのではないか。そう思うと、ちょっとショックだった。

函館市民は美しいものよりも楽な方しか選ばないのでないかと・・・・・。






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